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「もうアタシ、経験済みよ」 俳優・佐藤二朗51歳の脳内に春子と博之が現れた理由

連載「こんな大人でも大丈夫?」

佐藤二朗dot.#佐藤二朗
俳優、脚本家の佐藤二朗さん

俳優、脚本家の佐藤二朗さん

 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、春子と博之について。いったい何者?


【写真】名シーンですが、春子と博之ではありません。
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 ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう二日酔い!

 いきなり担当K氏に怒られそうな書き出しだが、今の俺の状態を見事に喝破した書き出しといえよう。そう。現在、二日酔いの真っただ中なのである。昨夜、久々のリモート呑み会で、ついつい呑み過ぎてしまったのである。母さん。なぜ人は二日酔いになるのでしょう。なぜ呑んでる時は翌日二日酔いになると予見できないのでしょう。

 いや、できてる。予見できてる。はずだ。だって呑み過ぎたら翌日二日酔いになるのは必然だもの。必然というか経験済みだもの。何度も何度も俺、経験済みだもの。「春子…もしかして、お前!?」「ふふ。アタシ、博之が思ってるより大人かもよ」「春子!」「ごめんね博之。もうアタシ、経験済みよ」「春子おおぉお!!」。唐突に俺の中の春子が顔を出したわけだが、つまりどういうことだ。要するに経験済みということだ。呑み過ぎたら翌日二日酔いは何度も経験済みということだ。なぜこの何度も経験済みの「呑み過ぎたら翌日二日酔い」を人は(というか俺は)繰り返してしまうのだろう。

 とりあえず春子には博之と一緒にお引き取り頂き、ことの本質を見定めなければなるまい。そうなのだ。呑み過ぎたら翌日二日酔いになるであろうことは充分に予見できるのに、呑んでいる時は「二日酔い?はははは!別に構やしねえ!」と思ってしまうのだ。構え。頼むから構えと言いたい。

 なにしろ、20代30代のころはたとえ二日酔いになっても、なんとか無理がきいたが、51歳になった現在、二日酔いの日は、わが家にメタボの怠惰な肉体が横たわるのみだ。「肉体?それ本気で言ってるの博之?」「ああ、本気さ。本気さ春子」「やめて、博之、それだけは言わないで」「春子、俺はお前の、カラダが目当てだったんだよ!!」「博之ぃいいイイイ!!」。他でやれ。頼むから痴話喧嘩は他でやってくれ。そして「この人、酔っ払いながらこの文、書いてるな」と思ったそこのアナタ。違います。シラフです。酔ってません。ただただ、二日酔いなのです。酔ってる疑惑は濡れぎぬです。「濡れぎぬだなんて…イヤらしいわ博之!不潔よ博之!」。うるさい。春子うるさい。あと濡れぎぬの意味もなんか勘違いしてるよ春子。まあ、アレですな、要するに、呑んでるその時は、ついつい、気が大きくなってしまうんですなあ。

 二日酔いゆえ、すっかりまとまりのない文になってしまいましたが、そして「まとまりのない文はいつものことだろう」という声が聞こえてきそうですが、これからは、大人として、抑制のきいた、ホドホドの呑み方を心掛けたいと思うのと同時に、春子と博之が仲直りすることを切に願い、挨拶の言葉にかえさせて頂きます。え?だからシラフだってばよ。

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が近日公開予定


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佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が6/4(金)全国公開。

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