8月に支配下登録されたロドリゲスは、19年シーズンに最優秀中継ぎ投手に輝いたジョエリー・ロドリゲス(現レンジャーズ)と同姓とあって、1月に育成で入団したときには、「ロドリゲスが退団してロドリゲスが入団」という、ややこしい話になったが、1軍昇格後、先発ローテ入り。10月1日の阪神戦では、打線の援護なく負け投手になったものの、6回を2安打10奪三振1失点の好投を見せた。

 名字関連サイト「人名力」によれば、彼らの故郷・キューバには2877以上の名字があり(14年度調査)、一番多いのは、やはりロドリゲスで、54万8262人(ドミニカでも1位)。マルティネスも23万4863人で6位(ドミニカでは3位)。日本でいえば、佐藤さん、田中さんに相当するポピュラーな名字である。

 ちなみにマルティネスは、05年入団のドミニカ出身の左腕、ルイス・マルティネスを加えると計3人になり、球団助っ人史上最多になる。

 第1号のルイスは同年、18試合すべてに先発し、8勝4敗、防御率3.38。エース・川上憲伸、ルーキー・中田賢一とともに先発の柱として活躍した。入団前の04年にドミニカで発砲事件を起こした容疑で指名手配されたが、正当防衛が認められ、大事に至らなかったという仰天エピソードもある。

 このマルティネスとともに過去3人が在籍し、球団最多タイで肩を並べるのが、これまたヒスパニック系のバルデスだ。

 第1号は、03年に入団したアメリカ出身の右腕、マーク・バルデス。前年退団したメルビン・バンチの穴を埋める先発要員と期待されたが、5試合に先発して1勝もできず、シーズン途中から中継ぎへ。翌04年は30試合にリリーフ登板し、1勝1敗1セーブ、防御率3.51で5年ぶりのリーグ優勝に貢献。西武との日本シリーズ第2戦で勝利投手になったが、同年限りで退団した。

 2人目は、10年入団のドミニカ出身のエドワード・バルデス。07、08年に米3Aでプレーした経験もある193センチの右腕は、7試合に先発して1勝3敗と結果を出せず、たった1年でチームを去った。

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名字に加え経歴も“ややこしい”