「あれだけ素晴らしい試合をした井岡君がたたかれているのを見て、正直、つらい思いがありました。井岡君も次の試合からはしっかり(タトゥーの対策を)するでしょうからね。ルールを破ったじゃないか、とたたきたくなる人の気持ちも分からなくはないけど、これで許してあげてほしいなと思います」

 JBCが、入れ墨禁止のルールを変えない姿勢を示していることについては、

「ルールについては、僕がどうこう意見するつもりはありません。僕はJBCのルールに合わせて背中の入れ墨を消しましたが、そのことに何の後悔もないし、プロボクサーになれて良かったと心から思っています。僕の時代の入れ墨と今のタトゥーでは世間の見方も違ってきているでしょうけど、JBCがこれからどうするかを考えていけばいいことですよね」

 井岡が望むかは定かではないが、これからもタトゥー対策をしっかりやれば、日本のリングに上がることができる。

 最後に、川崎氏は井岡にこうエールを送った。

「どこで試合をするかは、ボクサー本人が考えて決めればいいことだと思います。今でもすごいチャンピオンだけど、もっともっと強くなって、また素晴らしい試合を見せてほしいです」

(AERAdot.編集部 國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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