外野手でチーム事情から出場機会を減らしているのが野間峻祥(広島)だ。2014年のドラフト1位で入団すると1年目は守備、代走がメインながらもいきなり127試合に出場。4年目の2018年には外野の一角に定着して116安打、17盗塁という見事な成績を残している。しかし、丸佳浩が抜けた2019年にはセンターのレギュラー候補筆頭だったが大きく成績を落とし、昨年は12安打、1打点、2盗塁という寂しい数字となっている。

 チームの外野陣を見ると内野からコンバートとなった西川龍馬、育成から急成長を見せた大盛穂、更に昨年ルーキーながら一軍でも見事なスピードを見せた宇草孔基と同じ左打で野間よりも若い選手が揃っている。鈴木誠也がオフにもしメジャーへ移籍となったとしても、その後に野間をレギュラーとして推す声は決して大きくはないだろう。ただ外野手としての総合力は評価に値するものがあり、まだまだ老け込むには早い年齢である。外野の層が薄い西武、ベテランの多いヤクルトなどに行けばレギュラー争いに加われる可能性はありそうだ。

 投手で停滞するシーズンが続いているのが武田翔太(ソフトバンク)だ。2011年のドラフト1位で入団し、高校卒ながら1年目から8勝をマーク。2015年には13勝(6敗)、2016年には14勝(8敗)と順調にエースへの階段を上っているように見えたが、それ以降の4年間は低迷。昨年は7試合に登板して防御率6点台と自己ワーストの成績でシーズンを終えた。チームには若手の有望株が多いこともあって、完全に“過去の人”となってしまった印象は否めない。

 ここ数年の故障の多さは気になるものの、まだストレートは150キロを超えるスピードがあり、今年で28歳という若さも魅力である。ソフトバンクも簡単には手放さない可能性が高いが、投手陣の整備に苦しむチームは多いだけに積極的にチャレンジする球団が出てきてもおかしくはないだろう。

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トレードは決してネガティブなものではない