教室で夢を語る仲間たちを「あいつ、イタいよね」と馬鹿にする人も結構いると思う。それによって、夢を諦めた人も少なくない気がする。だからこそ、自分の夢を笑うような人は友達でないと僕は言うようにしている。

 そしてこの映画「えんとつ町のプペル」。主人公「プペル」はゴミの中から出てくるゴミ人間。映画を見て、そしてラジオで西野君に話を聞いて、僕の中でも気づけたことは「夢は捨てた時点でゴミになる」と。

 そうなんですよね。夢は宝くじと一緒で、捨てた時点でゴミになるんだよな。だからゴミの中には捨てた夢、散った夢がある。

 みんなから笑われた夢、みんなが馬鹿にする夢。だけど、それを笑ったり馬鹿にしたりするのは、そこに向かって全力で走る人がうらやましく、そしてそれに成功されてしまうと怖いからなんだよなと思う。でも、それが世の中だったりして。

 この映画は見た人を突き動かす力がある。正直、見ていて嫉妬した。この作品自体にもそうだが、これを完成して届けている彼の力に。

 この映画を見終わり、「おもしろい」と言い切った息子の顔を見て、心の棘が取れた。

 一人でも多くの人に見てほしいと本当に思える映画。

 だからこそ……。僕はこの映画に「乗っかって行こう」(笑)

 最高です。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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