火坂雅志急逝による未完の大作が完結…奇跡の作品を生み出した伊東潤の覚悟 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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火坂雅志急逝による未完の大作が完結…奇跡の作品を生み出した伊東潤の覚悟

伊東潤氏

伊東潤氏

初代・早雲から第五代・氏直にいたる北条家の家系図(左)/北条家の版図が最大となった天正年間後半の関東諸城分布図

初代・早雲から第五代・氏直にいたる北条家の家系図(左)/北条家の版図が最大となった天正年間後半の関東諸城分布図

伊東潤氏がこれまで執筆した北条氏関連作品の一覧

伊東潤氏がこれまで執筆した北条氏関連作品の一覧

北条五代 (上)

火坂雅志,伊東 潤

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 火坂雅志氏と伊東潤氏の共作による長編歴史小説『北条五代』が発売となった。NHK大河ドラマ原作ともなった『天地人』などで知られる火坂氏が、2015年に急逝したために未完となった作品を、伊東氏が引き継いで完結させたものである。

【北条家の家系図、北条家の家系図、伊東潤氏の北条サーガ全容図はこちらから】

 亡くなった作家の未完作品を別の作家が書き継いで完成させるケースは極めて珍しい。最近では『屍者の帝国』(2012年、河出書房新社)が挙げられるぐらいだ。

『屍者の帝国』は2009年にガンで早逝した伊藤計劃氏が構想、冒頭の草稿を遺していた最後の作品で、その後を親友の円城塔氏が書き継いで完成させたものである。

『北条五代』は、初代・早雲から最後の第五代・氏直に至るまでの100年に及ぶ北条氏の興亡を描いた大河巨篇。北条氏五代に渉る歴史を描いた作品は、おそらく初めてだろう。

 文芸評論家の菊池仁氏からは、

「火坂さんと伊東さんの執筆魂が宿ったような迫真の出来。これを快挙といわずして何を快挙というのか」

 同じく末國善己氏からは、

「本作品には、日本の閉塞感を打ち破り、未来を切り開くためのメッセージに満ちている」

 と、高い評価を得ている。

 どんな思いで書かれたのか。伊東氏に執筆にいたる経緯と本作に込めた想いを聞くと、縦横に語りつくしてくれた。

*  *  *
――いよいよ大作『北条五代』が発刊されますね。まずは、今のお気持ちをお聞かせ下さい。

 故火坂雅志氏の執筆開始から10年余、私が第二部を引き受けてから5年余という長いプロジェクトになりました。私の担当部分だけでも、これほど長い小説を書いたことがなかったので、まさに未知の領域でした。しかも火坂さんの後を引き継ぐというプレッシャーも相当ありました。

 それでも何とか完成に漕ぎ着け、こうして発刊できることは無上の喜びです。手前味噌ですが、天の火坂さんも喜んでいるのではないかと思います。

 この作品を機に歴史小説全体が脚光を浴び、火坂さんの諸作品も再評価されることを祈っています。


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