みそ汁に不可欠な、だしの取り方の基本も押さえておきましょう。

「みそ汁にとって、だしはとても重要な存在。おいしいだしが取れれば、7割は成功したようなものです」

 と山田さん。だしの種類や取り方にもいろいろありますが、最も使いやすく応用範囲が広いのは昆布とかつおのだしです。

「ぐつぐつ煮ると昆布のねばり成分やかつおの臭みが出て風味を損なうので、火加減には気をつけてください」
 
◎かつお昆布だしの取り方
【材料】
日高昆布:5センチ角2枚(約10グラム)
本枯節(かつお節):15グラム
水:1リットル

(1)   昆布の表面をふきんでさっと拭き、2~3か所切り込みを入れ、水に昆布を入れる。冷蔵庫で30分から一晩つけておき、鍋に移して弱火にかける。沸騰させないように注意する。

(2)   鍋の底から小さい泡が沸いてきたらかつお節を入れる。

(3)   さらに弱火で10分煮出し、火を止める。かつお節が沈んだらさらしなどでこす。保存容器に入れて冷蔵庫で2~3日は保存可能。

 他には、いりこ30グラム(黒い腸わたを取り除く)、水1リットルで取る「いりこだし」。“水出し法”は、まず、水にいりこを入れて一晩つけます。いりこを取り出し、加熱して使います。“煮出し法”は、水にいりこを入れて中火にかけ、沸騰したらアクを取りながら3~5分ほど煮出します。

 また、日高昆布5センチ角2枚(約10グラム)、水1リットルで取る「昆布だし」。昆布の表面をふきんでさっと拭き、2~3か所切り込みを入れ、水に昆布を入れます。冷蔵庫で30分~一晩漬けておき、中火にかけて加熱し、沸騰直前で昆布を取り出します。

 だしの取り方の基本を覚えたら、次は、具、だし、みその組み合わせも工夫。みそ汁をよりおいしく作るには、この3つのバランスをとることがコツです。堅苦しく考える必要はありませんが、まず、それぞれのだしにはうまみ成分の違いがあることを知っておくといいでしょう。

「昆布のうまみはグルタミン酸(アミノ酸系)、かつお節や煮干し、肉や魚はイノシン酸(核酸系)、干ししいたけはグアニル酸(同)という違いがあります。うまみ成分は1種類でなく種類の違ううまみを合わせたほうが、相乗効果でよりおいしく感じられます。例えば、先に紹介したかつお昆布だし。昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸という種類の違ううまみ成分が合わさることで奥行きのあるだしになります」

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