「あなたが、安全でありますように」
「あなたが、幸せでありますように」
「あなたが、健康でありますように」
「あなたが、安らかに暮らせますように」

 パートナーも完璧ではない一人の人間です。自分も含めて過ちは誰にでもあるものです。その事実を受け入れ、パートナーにいつくしみの気持ちを送ります。

 次に、パートナーの好きなところを思い出し、笑顔を思い浮かべましょう。そして、相手の幸せを願う、次のようなフレーズを唱えます。

「あなたがよいところを活かせますように」
「あなたの癖が直り、あなた自身が苦しみから解放されますように」

 最後に、「私たちが、幸せでありますように」と自分自身も含めます。

「善人ぶって」「どうせ裏切られる」といった、もう一人の自分の声が聞こえてくるかもしれません。

 でもこの瞑想は、パートナーの誤った行動を容認したり、許したりするためのものではありません。許せないのなら、許せないでよいのです。善人のように振る舞うのではなく、間違ったことをしている人を助けたいという純粋な願いを思い起こすのです。もちろん、パートナーとのいざこざは相手ばかりが間違っているわけではないことも多く、自分にもよくないところがあるかもしれません。ただ、ここでは、あえて、自分の基準で考えてかまいません。

 また、「どうせ裏切られる」というのも、相手からの愛情を期待する欲求から生じている思考にすぎません。怒りに結びつく思考に気づき、フレーズによって生じてくるいつくしみの気持ちで心を満たしていきましょう。

 これを何度か実践しているうちに、パートナーの行動に怒りで反応することが少なくなってきます。

 もし、それでも腹が立つことがあれば、「◯◯さんの言葉にイライラしているんだね。つらかったね」「文句を言うのだって、エネルギーを使うから、本当は言いたくないんだよね」というふうに、自分にやさしい言葉をかけてあげてください。あなたには、まず、あなたのことを一番わかっているあなた自身が、あたたかく接し、ねぎらってあげることが、何より大切なのです。それが、「セルフ・コンパッション」です。

 相手が変わらなくても、我慢とは別の形で自分の心のあり様を変えることで、どうしようもなかった状況を変える力が生まれるはずです。