罪を逃れるために車の故障と言ったという風になっているけど、そうじゃないかもしれないじゃないですか? 罪を逃れると言っても、もうすぐ90歳の高齢で、有罪となっても刑務所に入らない可能性もあると言われていますよね。本来ならば、「年齢のせいもあって、事故当初は興奮状態にもあり、アクセルとブレーキを間違えました、すみませんでした」と言える事案でもあるわけですよね。そこに、いろんな話が錯綜しているところもあって、元官僚だからプライドがあって、謝ることができないだとか、自分の人生に汚点を残したくないんだろうとか、元官僚だったから霞が関が守っているんじゃないか、それがネットで上級国民とか騒いでいるんだけど、それって、裁判中にそんな話しても始まらないじゃない。そのあたりが、わかるけど、ちょっと待て、被害者への感情をものすごい抑えて、冷静にやらないと。

 まかり間違って、もし、この事故が車の故障が原因だったということが何年かのちにわかったときに、今みたいな報道していたらどうすんの? 車の故障だって可能性がゼロではない。やはり、法というものがあり法で全ては裁かれるわけだから、そこは、裁判が判断するわけだから。この事故に関して初公判からの一週間、あまりにもって感じがしてならない。何度も言うけど僕も感情の部分では同じ気持ちだけど、もう少し冷静にならなきゃいけない。

 裁判中であるわけだから、この事故に腹が立つという意見はあってもいいけれども、その感情に対して逆の意見を言えというのではなく、別の意見があってもいい。推定無罪の原則からも「このじいさんが悪い悪い」って100パーセント言えないですよ、それが決まりですという感じで報じなければいけない。それなのに番組のMCまでもが偏ってワァーワァー言っているというのはどうかと思った。誰かしらがそういうことを言わなければならないのに、別の意見を言った人も何人かはいたけど、ほとんどが被告が悪いとなっているのは、制作側もそっちの方向で番組を作ろうとしてんの? って疑問にも思った。そんなことをしていたらキケンだからね!

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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