佐倉さんも、夫との小遣い交渉には柔軟に対応しようと思っているようで、夫が昇進したらプラス1万円を約束しているという。ちなみに、現時点で昇進の見込みはないようだが、そんな状況でも、夫はそれを励みに仕事を頑張っているそうだ。

 最後に、夫婦の小遣い事情を話してくれたのは、会社経営者の50代の夫を持つ主婦・坂上奈々さん(仮名・35歳)。3歳の子どもと3人で都内のファミリーマンションに住んでいる。坂上さんは家事育児に専念するため仕事はしていないが、たまに夫の会社の手伝いをしているとのこと。坂上家は、先の2家族とは少し状況が違うようだ。

「わが家には、お小遣いという概念はありません。夫婦それぞれがクレジットカードを持っており、必要に応じて使っています」

 夫は仕事とプライベートがきっちりと分けられない部分もあり、毎月決められた小遣いの中でやりくりするのは厳しいという。そのため、夫の小遣いに上限は決めていない。会食、スーツの新調など毎月の出費はそれなりに大きいが、坂上さんも納得できるものばかりなので、特に何か言うことはないそうだ。坂上さん自身も、このスタイルが合っていると感じている。

「家計の管理って結構大変ですよ。わが家はクレジットカードの明細を見ればすぐにわかるので、毎月の手間が省けます」

 だが、夫の小遣いについてママ友に話をしたところ、意外なことを言われたという。

「ママ友から『お小遣いを持たせすぎると、ロクな使い方しないでしょ。浮気とかされそうじゃない?』と言われてしまいました。私は夫を信用していますし、浮気を疑うような怪しい行動もないのですが、そういう風に捉える人もいるんだなと驚きました」

 坂上さんは少しムッとした表情で話したが、夫が使えるお金が多いことで浮気を心配する妻は一定数いるような気がする。

 坂上さんの小遣いも上限は決められていないが、湯水のように使えるわけではないという。

「金持ちマダムみたいに自由に使えるなんて思われたら大間違いです! 夫も私の明細を見て管理していますので、大きな出費に対しては指摘が入りますよ」

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1本2万円の高級化粧品も夫のため