一方、森本さん自身の小遣いは月によってさまざま。友人との食事会、季節の変わり目に衣類の買い足しなどで変動するため、一律には決められないのだという。1回のランチで1500円以上かかることも多い。外からみると不公平なようにも思えるが、森本さんはきっぱりと言う。

「昔、私はファイナンシャルプランナーの資格取得に向けて勉強した経験があるので、資産管理には自信があるんです。ウチの場合は、夫は小遣い制で、私は金額を決めない方が家計がうまく回るパターンなんです」

 もちろん、小遣いを夫婦平等にしている家庭もある。

「わが家は夫婦ともに2万円のお小遣いにしています」

 こう語るのは、看護師の佐倉希美さん(仮名・37歳)。建築資材関係の会社で働く30代の夫と、3歳と0歳の子どもの4人暮らし。5年前に都内に新築一戸建てを購入した。世帯年収は明言してくれなかったが、800~900万円くらいある様子。平均的な家庭に比べれば、高所得の部類に入るだろう。

 佐倉家では、子どもが生まれるまでは夫婦別財布だったが、出産を機に2人の収入をまとめて管理するようにした。

「一つの大きな財布を共有したほうが、同じ金銭感覚でいられると思ったからです」

 住宅ローンを早めに返済し終えたいという夫婦共通の思いもあり、最近はできるだけ出費を抑えるために、子ども用品をフリマアプリで購入するなどの工夫もしているという。

 夫の小遣いの使い道は、主に昼食代。仕事に関する飲み代と、必要品に関する支出は、別で家計から捻出している。小遣いの金額については、話し合いを重ねた結果、2万円で落ち着いたそうだ。

「たまに愚痴を言ってきますが、夫には2万円も渡せば十分だと思っています。正直私も厳しいですが、ローン返済があるので我慢しています。でも世間のお小遣いって、こんなもんですよね?」

 新生銀行が毎年実施している「サラリーマンのお小遣い調査」2020年版によると、男性会社員のお小遣いの平均は、3万9419円。平均額と比較すると高くはないが、夫婦で合意できているなら問題ないのだろう。

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「お小遣い持たせすぎると浮気されそうじゃない?」