印象的なのは、移籍後初セーブを挙げた20日の日本ハム戦(札幌ドーム)。2点を勝ち越した延長10回から3番手として登板、簡単に2死を取った後に3連続四球。最後の打者を抑えて試合を終わらせたが、巨人時代から恒例となっている『澤村劇場』の真骨頂を見せた。

「ああいう姿を見せられるので、獲得に関しては慎重にならざるを得なかった。球の威力や投手としての資質などは、超一流のものを持っている。でもいつ崩れるかわからないので投げていて怖い。結局、今のままでは得点差が離れた試合での起用方法になってしまう」(パ・リーグ球団スカウト)

 厳しい意見もある一方で、ロッテファンなどからは納得済みの声もある。

「まるで往年の『コバマサ劇場』。ロッテらしくて良いという人もいます(笑)」(ロッテ球団関係者)

 コバマサとは小林雅英。日米通算40勝234セーブを挙げ、05年にチームの日本一に貢献したレジェンド。自らピンチを招いた末に試合を終わらせることが多かった。ヒヤヒヤさせる投球内容でファンは最後まで席を立てず、試合終了後は大いに盛り上がった。

『コバマサ劇場』を知っているだけに『サワムラ劇場』への許容度も高い。またどんな形であれ澤村が試合を締めれば、優勝が近づくこともわかっている。

 試合終盤の手に汗握る展開には慣れているが、ロッテ関係者からすると胃が痛む戦いが続きそう。澤村は、いろいろな意味で今季の注目だ。