「歴史は繰り返すのか」という声も聞こえている。

 過去にロッテは『高卒ドラ1の左打ち強打者』を何度も獲得してきたが、満足な結果は残せていない。筆頭は千葉・銚子商から95年ドラフト1位で入団した澤井良輔。高校時代は『西の福留孝介(PL学園/現・阪神)、東の澤井』と騒がれたが、プロ通算5年で90試合出場36安打に終わった。他にも15年ドラフト1位の平沢大河(仙台育英)は、チャンスを与えられながら1軍に定着できずにいる。

 そんな中、17年ドラフト1位の安田尚憲(履正社)が、1軍の4番で結果を残しつつあるのは光明だろう。

「『高卒1位の左打ち強打者』の黒歴史と言われている。しかも平沢、安田、藤原と近年多くの高卒の左打者を獲得した。3人ともまだ20代前半だが、1軍での内容、結果ともに、ここまでは目立った実績はない。ネット上などでは『藤原も同じなのでは……』とも言われている。ここにきて3年目で形になりつつある安田の頑張りは、藤原にとっても大きな励みになっているはず。焦らずにじっくり頑張れば良い。もちろん平沢にも出てきて欲しい」(ロッテ担当記者)

 故障も癒えつつある藤原は、2軍戦では1番打者として試合に出場している。

「試合での目標は毎試合、安打と四球で出塁をすること。一年間の中で調子が悪くてヒットが打てない時もあるのでそういう時に四球を選べるようにしたい。そういう細かい打撃を身に付けることで打率は上がる。とにかく、もったいない打席を減らしたいと思います」(7月8日付スポーツナビ)

 自ら課題を語っていたが、厳しい状況が続いている。出塁率に言及していたが2軍リーグワーストの三振数(9月19日時点で65個)を記録。7月には34打席連続無安打、15打席で10三振ということもあった。

 だが、4番の英才教育をされている安田とともに、『1番・藤原』はロッテの看板を背負うことを期待されている。グラウンド外ではなく、チームを引っ張る戦力として結果を残し続けることが求められている。しかし現時点において、未来への道はまだ見えていない。ここから先は本人の頑張り次第である。横道に逸れることなく、かつての黒歴史を忘れさせてくれる活躍を誰もが待っている。