さて、「次の総理」の座を確実に射止めつつある菅氏。その妻の姿を思い浮かべられる人はほとんどいないだろう。それもそのはず、過去に雑誌のインタビューで菅氏が明かしたところによると、政治家になる前に知り合い、「表に出るのが大嫌いで、選挙のときだけ手伝ってくれる」のだという。

 いったいどんな人なのか。菅氏の選挙を取材したことがある記者に聞いてみると、夫の菅氏以上に“地味”な存在なのだとか。

「控えめなイメージです。どこにでもいるような普通の奥さんという感じで、正直、はっきり顔を思い出すのも難しいくらい……」

 ある選挙では、菅氏は対抗馬と接戦になり、当選が判明したのは深夜。ようやく事務所の奥から菅氏は夫人を連れ立って出てきた。その姿をみて「この人が菅さんの奥さんだったのか!」と初めて気づいた記者もいたほど。選挙でも黒子に徹していたようだ。

 とはいえ、その記者によると悪い印象はまったくないという。

「奥さんは、ありがとうございます、ありがとうございます、って半泣きで頭を下げていました。そんな方ですから、自分が総理の妻になるかもと思ったら、ひっくり返ってしまうんじゃないでしょうか」

 政治家の妻もさまざまである。

 ファーストレディーではないが、それに近い、“総理候補”の妻の印象的なエピソードも耳にした。ある大物議員の妻は、人目を引く華やかさがあった。「〇〇の妻でございます」と関係先にあいさつをして回っていたときのこと。ある記者は見てはいけない顔を見てしまったという。

「秘書らしき男性を従えて、階段を上ってきました。男性は両手に栄養ドリンクの箱を持たされていました。ヒーヒー言いながら階段を上る男性に、奥さんは『何やってんの、早く来なさいよっ』と言い放った。その冷たい表情に、こっちが震え上がりました」

 その後、その大物議員が総理の座に着くことはなかった。

 さて、安倍政権の路線を継承するという菅氏。その夫人はどんなカラーを打ち出すのか。注目の自民党総裁選は、14日に決着する。(AERAdot.編集部)