「経験も実績もある素晴らしい投手。今季はチームとして日本一を狙う、と宣言し開幕を迎えた。そのためには今まで以上に求められるものは多い。本人は意識していないだろうが、250セーブの数字もある。気持ちの部分での問題は何もなかったはず。充実して開幕を迎えた。ところがフタを開けてみると思った球が投げられていない」

 百戦錬磨のベテランだけに、試合への挑み方は熟知している。そうなってくると年齢からくる衰えの部分も指摘されてしまう。

「今の藤川がそうなのかわからないし、あくまで可能性としての話。誰だって年齢的なものがやってくる。ハードなトレーニングを行っていても球速、制球など、様々な衰えに突然襲われる。昨年中盤から素晴らしい活躍をしたのは知っているが、こればかりは本人しかわからない。そうなった際にどの部分でカバーして投げて行くのか。また現状ではフォークボールの軌道が、少しズレているように感じる。打者からすると真っ直ぐとフォークが同じ軌道なら、ボール球でも振る。今は軌道がズレていて見極めやすくなっているから、ボール球を振ってくれない。まずはそこを見直すだけで、かなり違うはず」

 山崎は開幕からセーブ数は挙げているが失敗も目立つ。勝利を締めくくる役割だけに、見逃せるものではない。7月29日の巨人戦では、クローザーからセットアッパーとして起用された。

「例えば好調時の2シームは、わざとワンバウンドするようなボール球を投げて打者に振らせていた。これは球のキレなどの前に、意図した制球ができているかの部分。コースを狙った真っ直ぐが甘めに入っているのも同じ。狙ったところに投げきれていないのが、調子が上がらない原因に感じる」

 日本代表侍ジャパンの抑えにも君臨する山崎。10月で28歳と油の乗り切った年齢だけに、身体と心のコンディションを整えれば、さらに進化できるはずだ。

「まずはメンタル面を充実させる。そのためには首脳陣としっかりコミニュケーションを取ること。起用法や配球など、気になることがあったら徹底的に話し合う。大事な場面を任されるのだから、頭と心に少しでも不安、不満があっては疑心暗鬼になり、制球もままならない。アレックス・ラミレス監督は対話を重視しており、選手との話し合いにも応じてくれるはず。またキャンプから感じていたが身体が少し大きく、肉付きがよくなった感じ。球威を増すためなど、意図的に大きくしたなら問題ない。しかしそうでなければ対策も必要になる。年齢的に体質も変化して贅肉など付きやすくなる頃。コンディショニングなど、しっかり見つめ直すことも必要」

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配置転換は意味がない?