・阪神:得点力不足と起爆剤となる若手野手の不在

開幕で大きく躓いたものの、7月に入って調子を上げて勝率5割復帰を果たした。課題はここ数年続いている得点力不足。ボーアと大山悠輔に当たりが出てきたのは好材料だが、もうひとつ打線が機能していない。昨年大活躍を見せた近本光司が打率1割台と低迷し、チャンスを作れていないのも痛いところだ。

そしてそれ以上に問題なのが抜擢する若手人材が不足していること。25歳以下の若手で一軍の戦力となっている選手は代走、守備要員の植田海だけ。二軍でも大砲候補となると高校卒ルーキーの井上広大しか見当たらない。強みだったリリーフ陣も抑えの藤川球児が打ち込まれて二軍調整となっており、馬場皐輔やスアレスなどの新しい顔ぶれの台頭が必要となりそうだ。

・DeNA:リリーフ陣の不振と首脳陣への不信感

開幕直後は5連勝など好調なスタートを切ったが、7月に入って失速して4位に沈んでいる。最大の誤算はリリーフ陣の不振。抑えの山崎康晃、セットアッパーのパットン、三嶋一輝が揃って打ち込まれており、安定しているのは石田健大だけというのが現状だ。先発は平良拳太郎がブレイクしているが、故障者が多く、十分に揃っているとは言えない。

打撃陣もチーム打率はリーグ2位ながら得点はリーグ4位と効率の悪さが目立つ。そして、ここへ来てラミレス監督の選手起用、采配、コメントに対して各方面から不満が噴出してきたのも大きな不安要素と言える。細かい野球ではなく、個々の力で圧倒する野球を目指しているように見えるだけに、首脳陣に対する選手の不信感が募るようだと致命傷になることも考えられるだろう。

・広島:抑え投手不在による接戦の弱さと走塁に対する意識低下

開幕からのビジター11試合を勝率5割(5勝5敗1分)で乗り切ったものの、得意である本拠地のマツダスタジアムで大きく負け越し、現時点で借金4の5位。大きな問題となっているのがリリーフ陣だ。開幕当時抑えだったスコットは不振でその座を外れ、現在は菊池保則が務めているが安定感はもうひとつだ。そのせいもあって、ここまで1点差ゲームは4戦全敗。引き分けの2試合も8回以降に追いつかれて逃げきれなかったケースとなっている。

打線は絶好調の堂林翔太と日本の4番に成長した鈴木誠也が引っ張っており、チーム打率はリーグトップの数字を誇っているが、伝統である機動力を生かした攻撃は鳴りを潜めており、走塁ミスも目立つ。今後打線の調子が落ちるようだと、更に苦しい状況になりそうだ。

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最下位の中日は?