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「何で俺に白星つくの?」 巨人の投手が手にした“ややこしすぎる一勝”

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久保田龍雄dot.
巨人時代の三沢興一 (c)朝日新聞社

巨人時代の三沢興一 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルス拡大の影響で開幕が遅れたが、ようやく6月19日に今年のプロ野球がスタートした。シーズンが幕を開け、試合結果に一喜一憂する日々がこれから続くが、懐かしいプロ野球のニュースも求める方も少なくない。こうした要望にお応えすべく、「プロ野球B級ニュース事件簿」シリーズ(日刊スポーツ出版)の著者であるライターの久保田龍雄氏に、過去のプロ野球シーズンの“B級ニュース”を振り返ってもらった。今回は「ややこしゅうてかなわんわ編」だ。

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 本塁上で監督が球審に口角泡を飛ばして抗議している真っ最中、三塁でも別の理由で抗議が同時進行というややこしい事態が起きたのが、1982年7月30日の巨人vs阪神(甲子園)。

 1対1の5回2死一、二塁、巨人は篠塚利夫の右前安打で二塁走者・山倉和博が本塁に突っ込んだが、ジョンストンの好返球でクロスプレーとなった。

 富澤宏哉球審が「セーフ!」をコールすると、タッチアウトを確信していた捕手・若菜嘉晴が激昂。「山倉はベースタッチしていない」と抗議した。ベンチから安藤統夫監督、柴田猛コーチも飛び出し、3人がかりでアウトを主張した。

 これだけならよくある場面なのだが、同じころ、三塁ベース付近では、巨人・牧野茂コーチが井上忠行三塁塁審相手に抗議を始めたことから、“ダブル抗議”の珍事となった。

 こちらは、篠塚の安打で二進した河埜和正が本塁上の抗議の間に三塁まで進んだのを、井上塁審から「タイム中」を理由に二塁に戻されたことに対する抗議だった。

 結局、「山倉は完全セーフ。河埜も三塁塁審がタイムをかけていた」(富沢球審)として、いずれも却下となった。

 試合は、このセーフ判定で貴重な勝ち越し点を挙げた巨人がそのまま逃げ切るかに見えたが、阪神は1対2の9回、藤田平の左前タイムリーで追いつき、なおも2死一、二塁から代打・川藤幸三が左前にサヨナラ打。判定では負けたが、試合には勝利した。


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