今季からメジャーリーグのレッズでプレーする秋山翔吾(写真/gettyimages)
今季からメジャーリーグのレッズでプレーする秋山翔吾(写真/gettyimages)

 今年新たに海を渡った、筒香嘉智と秋山翔吾。

 NPBで大きな存在感を発揮してきた2人にかかる期待は大きい。しかし初めて迎える米国生活において、野球以外でも直面する問題は多い。特に選んだチームの本拠地によって、パフォーマンスが大きく変わるのは間違いない。

 筒香嘉智はDeNAだけでなく日本を代表する強打の左打者。NPB通算10年で977安打205本塁打613打点を記録。どの方向へも本塁打を打てるパワーと柔軟性を併せ持つ。

 秋山翔吾は2015年に216安打でNPB記録を樹立したヒットメーカー。NPB通算9年で1405安打116本塁打513打点を記録。加えて112盗塁をマークした俊足、強肩で堅実な守備もあり、現在の日本人最高の外野手と評価されている。

 侍ジャパンのチームメートである2人は足並みを揃えるようにメジャー挑戦を選んだ。しかし選んだ球団は筒香が新興球団タンパベイ・レイズ、秋山が古豪シンシナティ・レッズと好対照だ。

「筒香はベストに近い選択をした」と米国在住スポーツライターは合格点を与える。

「米国挑戦の出発点としては最高の場所。タンパ湾エリアは米国有数の保養地であり、余生を過ごすような人々が暮らすノンビリ暮らす土地。雑音がなく野球に集中できるのではないか」

 本拠地セントピーターズバーグはフロリダ特有の温暖な気候で身体も動きやすい。DeNA時代と変わらぬパフォーマンスを出せるはずだ。

 レイズ(デビルレイズ)には、日本人では野茂英雄、岩村明憲らが在籍していた。

 野茂はわずか3カ月ちょっとの在籍ながら、2005年6月15日には日米通算200勝を達成し話題になった。岩村は2007年から2009年まで在籍、2008年にチーム史上初のワールドシリーズ進出にも貢献。現地でも2人への評価は高い。

 また野茂は『トルネード投法』で、米国でも野球ファンの多くが知っているレジェンド。そして岩村は新興球団のリードオフとして存在感を発揮。登場曲・矢沢永吉『HURRICANE(止まらないHa~Haの英詞版)』が地元エリアのラジオ局でチャート上位に入る人気を誇ったほど。レイズ関係者、ファンに日本野球のレベルの高さを強烈にアピールした。

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レッズの地元は「超保守的な土地柄」