採血後の皮膚に、赤い発疹が生じ膿がたまる「針反応」も病気の兆候だ。

 そして、これらの検査に基づいて、厚生労働省研究班が作成した診断基準で診断がつけられる。
 
 主症状である口腔内アフタ性潰瘍については、ステロイド外用薬と粘膜保護薬による局所療法をおこなう。

「たかが口内炎と思うなかれです。5~6個が常時できますので、患者さんにとってはつらい症状です。最初の治療がうまくいかない場合には、コルヒチン、抗菌薬、ステロイドの全身投与をおこないます。腸管や血管の炎症、神経病変、あるいは眼の痛み、充血、視力の低下といった症状を発作のように繰り返す眼発作を伴う場合には、関節リウマチにも使うTNF阻害薬を投与します。寛解と増悪を繰り返しますので、経過を見ながら全身的な薬物療法と局所療法を続行します」

 2019年、PDE4酵素を阻害するアプレミラストという薬剤が、局所療法で効果が不十分なベーチェット病の口腔潰瘍に対して、新たに保険適用となった。

 関節炎に対しては、炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬を投与し、難治性の場合には関節リウマチにも使うメトトレキサート、副腎皮質ステロイドを投与する。また関節炎の予防にはコルヒチンを使う。
 
 眼の病気では、ぶどう膜炎の一種である虹彩毛様体炎に対して、ステロイド点眼と瞳孔を広げる散瞳薬を投与する。網膜や脈絡膜に炎症を起こす網脈絡膜炎を合併すると失明の危険があるが、この場合には、TNF阻害薬であるインフリキシマブ(商品名:レミケード)やアダリムマブ(商品名:ヒュミラ)を使う。眼発作に対しては、コルヒチン→シクロスポリン(商品名:ネオーラル)→TNF阻害薬の順番で使う。

 神経病変に対しては、副腎皮質ステロイドを使い、無効であればインフリキシマブを投与する。血管病変には、副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬、TNF阻害薬を使う。
 
 腸管病変には、軽症から中等症には5-アミノサリチル酸製剤、サラゾスルファピリジンを使い、中等症から重症には副腎皮質ステロイド、TNF阻害薬の投与、栄養療法などをおこない、難治例には外科手術となることもある。

「口内炎が続いたり、ぶどう膜炎と診断されたりした場合や、ベーチェット病に特有な症状が複数現れている場合には、日本リウマチ学会のホームページで、近所のリウマチ専門医や膠原病専門医を調べて、受診してください」

(文/伊波達也)