米国マサチューセッツ州のウッズホール海洋研究所のThomas氏は、COVID-19感染流行に対する家に閉じ込める政策と密集回避を呼びかける政策の2つについて分析しています。Thomas氏によると、イタリアやフランス、スペインや英国が実施した警察監視下で強制的に人を家に閉じ込めても、オランダやドイツのような密集を回避する方針だけにとどめた国とCOVID-19の感染拡大抑制はあまり変わらなかったというのです。
世界中では、COVID-19の第一波を終えて、検証が進んでいます。その際に有用なのは抗体検査です。
緊急事態宣言の延長が発表された日、Roche社のCOVID-19抗体検査(Elecsys Anti-SARS-CoV-2)を米国FDAが承認したと報じられました。COVID-19抗体検査とは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する血清/血漿中の抗体を検出する装置です。過去にCOVID-19に感染したという感染歴を評価することができます。今回のRoche社のCOVID-19抗体検査の検出感度(病気を正しく「陽性」と判定できる能力)は99.8%であり、特異度(病気がない場合に正しく「陰性」と判定できる能力)は100%で、およそ18分で結果が出ると言います。
とはいえ、すでに様々なCOVID-19抗体に対する検査キットが開発・販売され、世界に導入されています。日本を含め、各地で抗体検査が実施され、その結果が公開されるようになってきました。
例えば、南カリフォルニア大学が実施した調査によると、カリフォルニア州の人口約800万人のうち、ロサンゼルス郡の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体を保有している成人の割合はおよそ4.1%(2.8%-5.6%)、数にして221,000~442,000人と推定されました。その推定に基づくと4月初旬までの実際のCOVID-19感染数は、なんと確定数7,994人を28-55倍も上回ることになります。ちなみに、サンタクララ郡でも同様に調査した結果、感染率は2.5-4.2%と推定されたと言います。
一方、ニューヨーク市の住民は、なんと5人に1人がコロナウイルスに対する抗体検査で陽性を示したとニューヨークタイムズに掲載されたのです。ニューヨーク州が行なった調査によると、コロナウイルス抗体陽性であった割合はニューヨーク市で約21%、ロングアイランドで約17%、ウェストチェスターとロックランド郡ではほぼ12%であり、州の他の地域では4%未満だったと言います。
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