1日の半分は話し相手がいない… コロナ自粛を苦しくしている「受動的生活」の罠 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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1日の半分は話し相手がいない… コロナ自粛を苦しくしている「受動的生活」の罠

連載「男と女の処世術」

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

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 外出自粛のため、いま人気映画やドラマがテレビでも放送されています。ネットフリックスなどの動画配信サービスも人気ですし、タレントさんたちもたくさんの無料動画を配信してこの事態を応援してくれています。今まで忙しくて見られなかったものを見たり、この期間限定の動画を見たりするのはもちろん楽しみの一つになり、しストレス解消にもいいと思います。しかし気を付けるべき面もあります。それは、一日中「受け身の体験だけになっていないか」です。テレビを見ても動画を見ても、受け身の体験です。

 一日のうち多少は体を動かすのが必要なのと同じように、心の安定のためには、精神的な面でもある程度能動的に活動することが必要です。精神は思考だけではないので、考えているだけでは足りません。

 前回は、息詰まる対人関係で、「あなたはそう思うのね」と思うこと、場合によっては、言ってみることをオススメしました。実践してみた方はお分かりだと思いますが、実際に声に出してみるのは相手に直接言わなかったとしても、思っているだけよりも何十倍ものパワーがあります。声を出すということは能動的な行動であるとともに、ストレス対応としてもとても大事なことです。

 この状況は以前相談にいらっしゃった、中東のある国に転勤したご夫婦のケースと似ていると感じます。妻、好美さん(仮名、30代、パート)は夫の悟朗さん(仮名、30代、メーカ勤務)の転勤で引っ越しました。好美さんは、もちろん覚悟してついて行ったのですが、自分でも我慢強い性格だと思っていたこともあり、実はそれほど深刻には考えていませんでした。しかし、現地での生活は想像以上にきつくて「気が狂いそうだった」とおっしゃいました。

 生活習慣が全く違う、言葉が通じない、外は暑くて外出もままならない。そこまでは想定内で、不便ではあってもそれほど辛く感じなかったのです。しかし、耐えられなかったのは、話す相手がいない時間が1日に12時間以上あったことでした。気が付くと部屋の隅で縮こまって、夫の帰りを待っている日々が続いたそうです。


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