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イスラエルと日本 新型コロナウイルスへの反応の違い

連載「金閣寺を60回訪れたイスラエル人教授の“ニッポン学”」

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ニシム・オトマズキンdot.
親族や友人の集まりもいまは限定されている(ニシム・オトマズキン提供)

親族や友人の集まりもいまは限定されている(ニシム・オトマズキン提供)

 毎日、日本とイスラエル、両国のニュースの熱心な読者である私は、この数週間、新型ウイルス「コロナウイルス/COVID-19」の広がりに関する報道に注意を払っていました。特に二つの政府の、自国でこのウイルスが爆発的に広がってきたときの反応について、注意深く観察していました。

 興味深かったことは、イスラエルと日本政府がコロナウイルス対応に関して全く違う態度を取ったことです。イスラエルは非常事態を明確に打ち出した最初の国の一つでした。そして人々の行動ルールも厳格に規定しました。日本は4月に入ってようやく強い対応策が始まりました。それでもいつものように経済は動き、人々は外出することを許されていました。

 4月9日現在、COVID-19に1万人近くのイスラエル人が感染し、約80人が死亡しています。イスラエルの全人口は約900万人です。ユダヤ教超正統派出身の保健大臣ヤコブ・リツマン氏は、3月のニュースサイトのインタビューで「(4月8日からの)ユダヤ人過ぎ越しの祭りまでに神が私たちをコロナウイルスから救ってくれることを望む」と発言しました。しかし彼と彼の妻は、このウイルスに感染しました。

 コロナ危機の非常に早い段階から、イスラエル政府はウイルス感染拡大を止めるために厳しい措置を行いました。国外からの訪問者の入国を拒否し、韓国人の感染者が見つかった時には飛行機ごと送り返しました。また外国から帰国したイスラエル人には14日間の自宅検疫を義務化しました。最後には国民全てが家に待機するような完全な閉鎖も行いました。

 ネタニヤフ首相はほぼ毎晩のようにテレビで「このウイルスで数千人のイスラエル人が命を失う可能性がある」と警告して、人々の恐怖心をあおりたてます。

 労働力は平時の15%に抑えられ、失業率は3%から25%に急増しました。学校と大学の施設は閉鎖され(しかし授業はズームなどを利用して遠隔講義を行っています)、公共交通機関の本数は減少し、警察は街中を巡回し、許可なしで家を出ている人たちには高額の罰則切符を切っています。


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