「若い頃は人見知りで、人から言われることを気にするタイプだったとインタビューで明かしてましたね。現場でもあまり人と喋らなかったそうですが、20代前半の頃に『人見知りはやめよう』と決意。それから現場が楽しくなったとか。そんな、自分の性格まで変えようとしていたところを見ると、色々と試行錯誤していたのでしょう」(同)

■お笑い芸人へのアドバイス

 続けて、「ブレイクした今も調子に乗ってない」と、前出のテレビ雑誌編集者が話す。

ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で共演したお笑いコンビ・そいつどいつの市川刺身が、3月に放送されたバラエティ番組で中村とのエピソードを話していました。何でも、中村は現場に馴染めずにいた市川にずっと話しかけてくれたそうで、ギャグがスベった時はフォローもしてくれたとか。そんな中村に市川は『なぜ自分に優しくしてくれるのか?』と聞いてみると、照れながら『自分、下積み長いんで』と答えたそうです。そんな謙虚な姿勢は息の長い活躍に繋がりますし、下積み時代は大きな財産になっていると思います」

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏も、中村の今後の活躍に大いに期待する一人だ。

「自分の足元をしっかり見つめ直すことができ、決して浮つかず、物事の本質を見極めようとする、こういうタイプの人はどんな職業でも息の長い活躍を続けることができます。『下積みが長い』というとマイナスに受け止める人も多いかもしれませんが、彼の場合、トークのエピソードには事欠かないですし、その間に人間観察力を磨けば、俳優として演技に大きくプラスになることは間違いない。確かに、昨年から今年にかけて一気に知名度をアップさせた印象はありますが、まだ『これだ!』という代表作とは出会っておらず、もしかすると彼の俳優としての魅力は世間一般にはまだ十分に伝わっていないかもしれません。つかみどころがない、ということは、良い意味で底が知れないということ。まだまだその実力を隠しているようにも思えます」

 もちろん、演技力は折り紙付きの中村。苦労人なところに親近感を覚える視聴者も多いだろう。人気はまだまだ続きそうだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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