――そうだね、夫に感謝もされたいよね(自分でもやっぱりそこか…と気づく)


 それに、何だか疲れが抜けなくて、これから乗り切っていけるか自信がなくなって。

――疲れもたまってきて、自信もなくなってきてるよね(これも新たな気付き)

■ネガティブな言葉も、あえてポンと言ってみる

 このように気持ちを1つずつ取り出すと、「会社の方針に腹が立った」という感情の後ろに、「友だちがうらやましい」などのいろんな気持ちがあったことに気づきます。

 もちろん、スムーズに気持ちが出てこないこともあります。「こんなこと思ってしまう自分は情けない」「大人げない」という気持ちが強いときは、なおさら素直には言葉が出てこないでしょう。そういうときは、ちょっとしたコツがあります。

「くやしかったよね」「ねたましかったよね」といったネガティブな言葉をあえてぽんと、発してみるのです。

 すると、「いや、ねたましいわけじゃない……でも、もしかしたら、ねたましいという気持ちもあったかな」「あったなぁ。ねたましいと思ってた」。自分で、今まで、なかったことにしていた気持ちをていねいに掘り下げる。そして、そんな気持ちのすべてに「そうだよね」と答えるのが大切なポイントです。すべての気持ちを、肯定するのです。

 もちろん、「弱みを見せたくない、理性側の自分」もいます。そうはいってもがんばるしかないよね、と言いたい自分もいるのです。

 その気持ちも押し込めずに素直に出しましょう。矛盾する気持ちにも、決着をつけず、どちらも認めます。「自信がない」というという気持ちだけでなく「友だちは友だちの人生だし、私は仕事も好きでやってきたんだから。コロナ騒動なんかに負けずに、絶対に乗り切る!」─そんな気持ちにも、「うん、そうだよね」と答えます。

■感情に「ありがとう」と伝える

 ごちゃごちゃにものが詰まっている引き出しから、中身を1つずつ取り出す。全部取り出すと、最後に、一番奥に隠れていたものも出てきます。そして、一番奥にあったものこそ、あなた自身に発見してもらうことを待っていた大切な気持ちであることが多いのです。

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心の奥からひょっこり出てきた気持ち…