「別モノ」になっている日本と世界のバスケ 一番の問題点はなにか?
Bリーグが発足されて今季で4期目を迎えた。プロ野球やJリーグと比べれば、Bリーグは「まだ赤ちゃん」と大河正明チェアマンは例える。
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それでもリーグトップの人気を誇る千葉ジェッツふなばしは、ホームゲーム30試合すべてで約6000人のキャパシティを満員にしてプレミアチケットとなるなど、Bリーグは著しい成長を見せている。
一方で、日本トップクラスの選手を集めて戦う日本代表(アカツキ5)の前途は多難だ。
NBAのグリズリーズに所属する渡邊雄太や帰化したニック・ファジーカスをはじめ、ウィザーズに所属する前から八村塁がメンバー入りし、双子の竹内兄弟を含めて5人ものビッグマン(2m越えの選手)が揃い、これまでにないほどのタレント軍団となった。昨年行われたFIBAワールドカップ中国の大会前には「日本バスケ史上最強」と謳われたほどだ。
だが、蓋を開けてみたら、アメリカ、チェコ、トルコと強豪国ぞろいのグループリーグで3連敗。その後の順位決定戦の2試合にも勝てず、5連敗に終わった。期待とは裏腹に1勝もできずに世界の舞台から去る。自国開催の東京五輪へ大きな不安を抱えることとなった。
アメリカとの戦いで見た、開始5分で0-13とされてまるで「子ども扱い」だったあの時間は衝撃的だった。間近で見たワールドカップの悪夢の一番の原因は「世界とのアジリティの差」だと痛感させられた。世界のバスケは、日本で見るバスケとは全く違うものだった。
日本以外の3カ国のセンターはもちろん2m越えのビッグマンだが、ドリブルで俊敏な動きを見せ、相手をかわしたり、素早いカウンターから豪快なダンクを決めたりする。ポジションにこだわることもない。攻撃時は1回、1回サインを出してゆっくり攻め入る場面も少なく、速いパス回しから相手を外し、フリーの選手を作って外から3ポイントを決める。ショットクロック(24秒ルール)をうまく使うのではなく、どれだけ相手のディフェンスが整う前に攻めきるかが現代バスケとしては当たり前になっている。
