初代「ドリームチーム」を契機にしたバスケのグローバル化は、NBAの選手構成を見ても明からかだ。2019-20シーズン開幕時におけるNBA30チームの合計ロスターで、米国籍以外の選手はワシントン・ウィザーズの八村塁を含めて108選手。ロスター選手の出身国は38の国と地域という広がりを見せている。

 リーグのリリースによれば、ロスターで米国籍以外の選手が100名以上となるのは6年連続。バルセロナ五輪前の米国籍以外のプレーヤーは数名で、25年前の1994-95シーズン開幕時のそれが24名だけだったことを考えると、その拡大ぶりには驚かされる。

 さらにこうしたインターナショナルプレーヤーは、単にロスター入りしているだけではない。ギリシャ出身のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、セルビア出身のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、豪州出身のベン・シモンズ(フィラデルフィア・76ers)らを筆頭に、その内11名はオールスター経験者。リーグにはなくてはならない存在となっているのだ。

 初代「ドリームチーム」が評価されるのは、単に五輪で圧倒的な強さを見せたということだけではない。後世に残る、バスケットボールというスポーツの世界的な人気拡大と普及に多大な貢献をしてきたという意味でも、最高であり最強なのだ。果たして東京五輪でプレーする米国代表は、バスケ界にどんなインパクトを残してくれるのだろうか。もちろんその前に、五輪が予定通り無事に開催されることを願いたい。(文/田村一人)