M.ジョーダン(左)M.ジョンソン(中央)C.ドレクスラーなど伝説的な選手が集まった初代ドリームチーム(写真/gettyimages)
M.ジョーダン(左)M.ジョンソン(中央)C.ドレクスラーなど伝説的な選手が集まった初代ドリームチーム(写真/gettyimages)

 新型コロナウイルスの感染拡大による東京五輪への影響が懸念されているが、予定通りならば五輪は7月24日に開幕。世界最大のスポーツイベントまで約4カ月となっている。

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 五輪には各競技の強豪選手やスター選手が集結し金メダルを目指すことになるが、スター中のスターといえば、やはり男子バスケットボールの米国代表だろう。昨年の9月15日まで中国で行われた「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」では7位と惨敗したが、現在の世界ランクは1位。東京五輪でも当然ながら金メダル候補筆頭であることは間違いない。

 昨年のW杯しかり五輪など、昨今の世界大会における米国代表は、必ずしもNBAのオールスター軍団とはいえなかった。しかし、今年はレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)らスター選手も出場に意欲的なコメントを残しており、久々に「ドリームチーム」が五輪でお目見えすることになりそうだ。

「ドリームチーム」――。この名前で呼ばれるようになった起源はこうだ。五輪でのバスケットボールは、正式競技となった1936年のベルリン大会からバスケ大国・米国の独壇場で、1984年のロス五輪までで米国が優勝できなかったのは1972年ミュンヘン五輪でソビエト連邦に敗れ銀メダルとなった時だけだった(1980年モスクワ五輪は不参加)。

 ところが1988年のソウル五輪ではまさかの銅メダル。1989年に国際バスケットボール連盟が国際大会におけるプロ選手の参加を解禁すると、米国も王国の威信をかけてNBAのスター軍団を形成し、ソウル五輪の屈辱を晴らすことになった。米国は、それまで大学生が中心のアマチュアチームで世界の頂点に立ち続けていたが、王座から陥落したことで、バスケットボールにとっては「アマチュア選手の大会」だった五輪に、スター軍団を送るこむことへの躊躇などなくなっていたのだ。

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豪華で最強でもあった初代ドリームチーム