春が近づくにつれ紫外線量が増えてきました。紫外線は肌の老化を後押しするため、春先からの紫外線対策は欠かせません。しかし、肌を守る生活を心がけていても老化は進行していきます。それをカバーするため、化粧品や形成外科的な施術、さらには再生医療もあります。中でも、肌の再生医療について、一般の方々が誤解していることがあると感じています。
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「再生医療で肌が若返る」
この言葉に対するイメージとして次のどちらだと思いますか?
(1)50代の人が30代の肌の状態を取り戻す。
(2)肌の細胞が若くなる。
(2)と答えた人は間違いです。肌の再生医療は、根本的な老化を食い止めているのではありません。シワやたるみなどの肌の老化現象は改善できますが、細胞レベルの若返りとは違うのです。
とはいえ、50代の人が30代の肌のような状態になった写真を見れば、「肌が若返った」と思いたくなる気持ちはわかります。でも、その状態は永遠には続きません。肌の再生医療と細胞の老化について知ればその理由がわかります。
■肌細胞は50歳になると20歳のころの3分の1に
肌の構造は、簡単にいうと、表面の表皮、その下の真皮、さらに皮下組織から成り立ちます。肌のハリや潤いは、真皮の「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」「エラスチン」「タンパク質」によって保たれています。それらを作り出す肌の細胞は20歳を過ぎた頃から減り始め、50歳になる頃には3分の1程度まで減少。結果として、ハリや潤いは失われてシワやたるみが目立つようになります。真皮の下支えが失われると表皮のバリア機能や新陳代謝も落ち、シミも生じやすくなります。
シワ、たるみ、シミ。それをカバーする方法として一般的なものは化粧品でしょう。顔を洗ってたっぷり化粧水などをつけ、下地を入念に塗ってファンデーションで覆い、チークなどを用いれば、若々しい顔を実現することは可能です。しかし、化粧品は表皮にダメージを与え、肌の老化を加速させます。毎日のクレンジングの洗顔もしかりです。一方、化粧でカバーしきれないシワやたるみ、シミは、形成外科の治療で改善することもできます。が、根本的な肌の細胞の減少を食い止めることはできません。そこで登場したのが肌の再生医療です。