ロッテも井口資仁監督就任以来、「マクレ」(18年)、「マウエ↑」(19年)の珍スローガンを連発。「ダサいと言うより意味不明」と中途半端な位置づけだったが、今季も同一路線を継承し、「パ・リーグを突き抜ける」を意味する「突ッパ!」。右肩上がりの「マクレ」、垂直に上位を目指す「マウエ↑」よりわかりやすいが、まだまだソフトバンクや広島の“突き抜け感”には及ばない。

 ダサい系ではないが、13年以降Bクラスが続く中日は、森繁和監督時代の17、18年に2年続けて「原点回帰」を掲げたことから、「いつも原点回帰してるな」と皮肉られ、成績も2年連続5位という、お寒い結果に。昨季から指揮をとる与田剛監督も2年連続で「昇竜復活」を前面に打ち出したが、Bクラスから脱出できなければ、「いつ復活するの?」と言われてしまうかも。

 阪神も金本知憲監督時代の18年に「執念」を掲げながら、前年の2位から最下位に沈み、「失念やないか」と虎党を嘆かせた。矢野燿大監督2年目の今季は、広島を意識してか、当て字系の「It’s 勝笑Time! オレがヤル」だ。

「ダサすぎやろ……」「笑はいらんやろ」の声もあるが、ダサいままで終わるか、トレンドワードになるかは、今季の成績次第だ。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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