『水曜どうでしょう』で一番必要なのは“許容” 名物Dが明かす「むしろプレッシャーしかない」現場とは? (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『水曜どうでしょう』で一番必要なのは“許容” 名物Dが明かす「むしろプレッシャーしかない」現場とは?

浅野裕見子dot.#朝日新聞出版の本#読書
「水曜どうでしょう」の名物チーフディレクター、藤やんこと藤村忠寿さん(撮影/写真部・小黒冴夏)

「水曜どうでしょう」の名物チーフディレクター、藤やんこと藤村忠寿さん(撮影/写真部・小黒冴夏)

真剣に語ってくださった藤村忠寿さん。ダンディーです(撮影/写真部・小黒冴夏)

真剣に語ってくださった藤村忠寿さん。ダンディーです(撮影/写真部・小黒冴夏)

■不安なんてあって当たり前

――藤村さんが言うととても力強い「それでいい」。「それでいい」は判断でもあり、許す、ということでもありますよね。

 そうですね。特にその「許容する」っていうのが一番大事なんじゃないかと思います。最近簡単に「多様性」なんていうけどさ、「これもアリ」だけど「そっちもアリ」って認めることって、おそらく人間は一番不得意なことなんじゃないかな。

 誰しも「こうしよう」って決めて、それに向かって一生懸命準備して努力するわけですよね。それをいきなり「やっぱこっちだわ」って曲げられたら、そりゃ抵抗しますよね。でも本当の意味で「多様性を認める」って「曲げた先の可能性まで視野に入れて考える」ってことじゃないかな。口で言うほど簡単なことじゃないですよ。もちろん不安ですしね。

 よくいろんな企業の人や講演を依頼してくる人から「よくそんな決断ができますね」とか「不安はないんですか?」って言われるんですが「だって考えたってしょうがないじゃん」って思います。不安なんて、いくらでもあって当たり前。わかんないことをクヨクヨしたって意味ないでしょ?

 どうなるかわからないことを話し合うときに「不安を言うこと」なんて誰にでもできるんですよ。先がわからないときこそ「理想」を語らないと前に進めない。

 ロケをしていても「明日行くところ、大丈夫なの?」って言われたら「こうだったらいいねえ」「あそこまで行ったら、うまいもん食いたいね」ってそういうことしか言わない。「何にもなかったらどうしよう」なんて言ったって、暗くなるだけだもの。そんなときは「(◯◯まで行けば)すごいものがありますよ!」って言うんです。そのほうが「じゃあちょっと行ってみるか」って、少し前に出られるでしょ。で、行ってみて何もなかったら「何にもなかったねえ」って(笑)。それも「現実」を言うだけ。で、「さあ次、行きましょう」って。

 それだって「ふざけんなよ!何にもなかったじゃねーか、ヒゲ!」って大泉洋が悪態ついてくれれば、それでいいんです。


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