■主婦層の嫉妬の対象になる行為はNG

 さらに前出の芸能事務所関係者は「ママタレは完璧な女性は務まらない」と分析する。

「ママタレは主に主婦など既婚女性から好かれないといけないので、正直に言ってしまうと顔も中身も環境も完璧な人は嫉妬の対象になってしまい、嫌われるのです。美人ではなかったり、料理が下手、離婚歴があるなどマイナス面があると主婦は応援したくなるのです。最近だと、ゆうこりん(小倉優子)が急にママタレとして人気出たのはその好例でしょう。おバカキャラで辛い離婚を経験し、シングルマザーで奮闘していた……こういうのは受けがいい。そう考えると、おバカキャラだった川栄李奈さんが一生懸命お弁当を作ったりする姿なんかは、主婦層の共感を呼ぶかもしれません」

 エンタメウォッチャーの中村裕一氏は、元アイドルグループメンバーのママタレ化についてこう分析する。

「アイドルに限らず結婚・出産を経てママタレになるパターンは多いですが、子どもを産んだからといって即、ママタレになれるとは限りません。SNSでの発信ひとつとっても、同じママたちから反感を買わない慎重なテーマ選び、言葉選びが要求されます。芸能界で働きつつ、しっかりと子育てに重きを置いているかどうかも重要なポイントになる。大事な時期の赤ちゃんを少しでも放置している日常が垣間見えた瞬間、レッドカードで一発退場でしょう。つまり、ママになっても現役アイドル時代のような厳しい生存競争にさらされるイバラの道が待っている。それだけママタレはデリケートなジャンルですが、子育てのスタイルは十人十色でもあります。現役当時は目立たなかったメンバーでも、多くの人から支持される一流ママタレとして脚光を浴びる可能性も十分あると思います」

 来年も、AKBグループの卒業生たちのおめでたラッシュは続いていくだろう。競合タレントが多く、人気の移り変わりも激しいママタレ業界だが、CDが発売されるごとにメディア出演メンバーの選抜が行われたり、グループ内の露骨な序列を決める総選挙を生き抜いてきた彼女たちなら、ママタレとして成功するのは難しくないかもしれない。次にチャンスの順番をつかむのはだれか。(黒崎さとし)