(写真中央)アイルランド戦でも存在感をアピールしていたグレイグ・レイドロー(撮影/写真部・東川哲也)
(写真中央)アイルランド戦でも存在感をアピールしていたグレイグ・レイドロー(撮影/写真部・東川哲也)

アイルランド戦でトライを決める福岡堅樹(撮影/写真部・東川哲也)
アイルランド戦でトライを決める福岡堅樹(撮影/写真部・東川哲也)

大畑大介さん(撮影/写真部・小山幸佑)
大畑大介さん(撮影/写真部・小山幸佑)

 ラグビーワールドカップ2019日本大会のプール戦でロシア、アイルランドに続き、サモアに勝利した日本代表チームが、10月13日(日)、いよいよプール最終戦を迎え、スコットランドと激突する。悲願のベスト8、初の決勝トーナメント進出は、この勝負にかかっている。

【ド迫力!対サモア戦の試合写真はこちら】

 試合登録メンバーは、サモア戦でトライを決めただけでなく得意のジャッカルでピンチを救い勝ち点5獲得に導いた姫野和樹選手をはじめ、負傷から完全に復帰した福岡堅樹選手ら、万全の布陣。さらに、この試合で日本代表としての最年長出場記録を更新するトンプソン・ルーク選手も先発出場するとあって、ファンの期待は高まるばかりだ。

 ここまでプール戦3戦全勝、対戦当時世界ランキング2位のアイルランドを破るなど、飛躍的に伸ばした力を世界に見せつけた日本代表チーム。だが、注目されているだけに、
 
「相手チームに対策を立てられると、手も足も出せなくなる可能性があります」

 そう注意を促すのは、トライ数世界一の記録を持つラグビー元日本代表の大畑大介さん。『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』でロングインタビューに答え、大きく進化したラグビー日本代表チームの現状と、対戦国スコットランドとどう戦うか、どこに注目して観戦すべきかを語っている。

 大畑さんは、前回W杯の初戦で南アフリカに劇的な勝利後の、日本とスコットランドとの対戦を振り返る。

大畑:実は2015年のW杯のスコットランド戦では、日本は何もやらせてもらえませんでした。スコットランドがしっかり対策を立てて試合に臨んで来たからです。このとき日本が初戦で対戦した南アフリカは、日本を軽視してリーグ戦のピークを後半に持ってきていたので、初戦に力を入れた日本が南アフリカに勝つという番狂わせが起こりました。
 スコットランドは日本が南アフリカに勝ったこともあり、しっかりスカウティング(相手チームの事前分析)をしてきた。ラグビーに限らず、現代のスポーツは、相手を分析し対策を立てるスカウティング技術が非常に進化し、深化しています。同じやり方では、すぐに丸裸にされてしまう。

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日本が目指しているのは究極のラグビー