■中日(セ・リーグ5位)

補強ポイント:若手野手の底上げとリリーフの整備

 終盤まで3位争いには加わったが7年連続のBクラスとなった。投手陣では柳裕也が大きく成長し、大野雄大も復活を見せたものの、先発、リリーフとも1年を通して活躍した選手は少なかった。特にリリーフ陣は外国人への依存度が高いため整備が必要だ。野手は昨年同様レギュラーを固定でき、チーム打率も高かったが相変わらず若手が少ないため、全体的な底上げが必要である。

 1位は準地元ともいえる北陸ということもあって奥川指名が有効。近い将来のエース候補として奥川を狙うのは悪い方針ではないが、抽選で外した時にどう判断するかが重要になりそうだ。チーム事情を考えると優先度が高いのは野手となるだろう。筆頭候補になるのは石川昂弥(東邦)だが、U-18での活躍を見るとどこか他の球団の単独1位、もしくは外れ1位で更に抽選となる可能性も高い。思い切って石川を最初から1位に繰り上げるというのも検討しても良いだろう。

 今年は上位候補の野手は多くないが、下位でも積極的に野手を狙っていきたい。3位以下で狙えそうな選手で面白いのが紅林弘太郎(駿河総合)だ。東海地区でも指折りの大型内野手で、石川に比べると確実性はまだまだだが、芯でとらえた時の打球は迫力十分。強肩も魅力である。広いナゴヤドームを任せられる外野手候補としては平野大和(日章学園)も面白い。運動能力の高さが持ち味で、センターの広い守備範囲とパンチ力は光るものがある。彼らのような高校生野手を少なくとも二人は確保しておきたい。

 投手では球威のあるリリーフタイプがほしいところだが、津森宥紀(東北福祉大)、津留崎大成(慶応大)、福森耀真(九州産業大)などが候補になる。実績で言えば津森がナンバーワンで、サイドから投げ込むストレートは数字以上に威力があり、リリーフの経験も豊富だ。今年は調子がもうひとつだが、2位で指名できれば狙いたい選手である。津留崎、福森も150キロ前後のストレートが持ち味で、大学で大きく成長した点も魅力である。下位で狙える候補としてリストアップしたい。

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広島の補強ポイントは?