モンゴル戦は圧勝となったが、冨安健洋が戦線離脱という代償が… (c)朝日新聞社
モンゴル戦は圧勝となったが、冨安健洋が戦線離脱という代償が… (c)朝日新聞社

 今季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)参戦中の伊東純也(ゲンク)と南野拓実(ザルツブルク)のホットラインが生み出した先制弾に始まり、日本代表を長く支えてきた吉田麻也(サウサンプトン)と長友佑都(ガラタサライ)のゴール。そして大迫勇也(ブレーメン)の代役・永井謙佑(FC東京)の一撃に、遠藤航(シュツットガルト)と鎌田大地(フランクフルト)の代表初得点が決まった。

 森保ジャパンは10日のモンゴル戦(埼玉)で大量6ゴールを奪って、FIFAランキング183位の格下を一蹴した。これで2022年カタールワールドカップアジア2次予選開幕から2連勝。シンガポールにスコアレスドローという厳しいスタートを強いられた4年前を考えれば、非常に順調な滑り出しだと言っていい。

「油断はないですね。明らかにチームレベルが上がってるんで、それが全てかなと。4年前よりチームが成熟してるのがこの結果につながっていると、僕は中にいて思いますよ」

 この日代表120試合出場を記録したベテラン・長友も力強くコメントしたが、確かにアタッカー陣の進化は1つの収穫だろう。

 とりわけ、ベルギーリーグ得点ランキング2位につけ、CLでも自慢の快足で右サイドを切り裂いている伊東の成長ぶりは目覚ましいものがあった。「ベルギーに移籍して、優勝して、CLに出始めて、今は一番自信を深めている時期。伸びるところまで突き抜けてほしい」と吉田も期待感を口にするほどの頼もしさを前面に押し出した。

 10月2日のCL・リバプール戦で昨季欧州王者から1ゴール1アシストの大活躍を見せ、ユルゲン・クロップ監督を苦笑いさせた南野の決定力も大いに際立っていた。ワールドカップ予選開幕2戦連発というのは、93年アメリカ大会予選のカズ(三浦知良)以来26年ぶりという偉大な記録。背番号9は本田圭佑や岡崎慎司、香川真司というかつての三枚看板の後を担う重要な得点源になりつつある。

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森保監督の手堅い一面が裏目に