一方、“ポスト會澤”も埋めていかなければいけない。2017年の1位・中村奨成や2016年の4位・坂倉将吾と素材はいるのだが、捕手として台頭するにはまだまだ時間がかかりそうだ。特に今年のドラフトは、捕手の人材が高校・大学ともあふれているだけに狙いたいはずだ。早くからのデビューを狙うなら海野隆司(東海大)、佐藤都志也(東洋大)、郡司裕也(慶応大)といった個性の異なるタイプが指名を待っている。高校生では山瀬慎之助(星稜)、水上桂(明石商)ら多数の人材がいる。

 暴力事件を起こし、クライマックスシリーズ進出を逃した緒方孝市監督が今季限りで退任を発表。監督交代を含めて、チームは大きな転換期を迎えるはず。次世代への準備が今季のドラフトで求められる。(文・氏原英明)

●プロフィール
氏原英明
1977年、サンパウロ生まれ奈良育ち。地方新聞社勤務を経て、03年からフリーライター。夏の甲子園は03年から大会をすべて観戦取材するなど、アマチュア野球に精通。現在のプロ野球選手のアマチュア時代を知る強さを生かし、プロの現場でも成長ぶりを追いかける。一方、最近では個性がどう生かされているかをプロアマを問わず観戦の主眼に置いている。近著には「甲子園という病」 (新潮新書)がある。