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座り心地で振り返る、世界の鉄道に影響を与えた「0系新幹線」

日本鉄道座席史 1964年《保存0系新幹線の全設備に座る》

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安藤昌季dot.#鉄道
0系新幹線36形食堂車に設置された「特別席」。通路側の窓がなく、一般席との仕切りもある(撮影/安藤昌季)

0系新幹線36形食堂車に設置された「特別席」。通路側の窓がなく、一般席との仕切りもある(撮影/安藤昌季)

登場時の0系新幹線16形1等車に設置された回転リクライニングシート。当初「ゴールドクラス」が想定されたので金色である(撮影/安藤昌季)

登場時の0系新幹線16形1等車に設置された回転リクライニングシート。当初「ゴールドクラス」が想定されたので金色である(撮影/安藤昌季)

1980(昭和55)年以降に設置された0系普通車37形の簡易リクライニングシート。この車両は座席間隔980mmの2000番台(撮影/安藤昌季)

1980(昭和55)年以降に設置された0系普通車37形の簡易リクライニングシート。この車両は座席間隔980mmの2000番台(撮影/安藤昌季)

 鉄道に乗車した際に、最も触れる時間が長く、見ることが多い風景は「座席から見た風景」である。座席の善し悪しやインテリアは旅の楽しさに直結しているし、同時に「その車両が製造された時代の風景を想像できるタイムマシン」だと思う。

 そんな「座席鉄」の筆者が、さまざまな電車の座席を紹介する「日本鉄道座席史」。今回は「0系新幹線」の各種座席を取り上げてみたい。

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*  *  *
 0系新幹線とは、1964(昭和39)年に東海道新幹線が走りだした際にデビューした、初の営業用電車である。新幹線の特色は数あるが「既存の鉄道システムとの互換性を無視し、超高速・大量輸送に特化した」鉄道システムは、東海道新幹線まで存在しなかった。

 このため、0系新幹線は日本の鉄道車両の中ではもっとも世界の鉄道に影響を与えた車両だといえる。鉄道発祥国、イギリスのヨークにある国立鉄道博物館にも「世界を代表する高速列車」として、日本製車両で唯一保存されているのだ。

 0系新幹線は1964~1986年の22年間で3216両も製造され、2008(平成20)年まで現役であった。これほどまでに長期間製造された電車はまれであり、38次にわたってマイナーチェンジを繰り返して製造された。こうなったのは、想定よりも高速運転による車体の劣化が激しく、当初は20年と考えられていた耐用年数が12年程度でしかなかったこと。また、国鉄の財務状況悪化などで新型車両の開発が間に合わず、古い0系が新しい0系に置き換えられてきたためだ。

 こうした理由により、0系新幹線の接客設備はバリエーション豊かである。では、早速各設備の座り心地について、解説していこう。

■デビュー時の座席は3種類

 0系新幹線のデビュー時は「1等(現・グリーン)車」「2等(現・普通)車」の2クラスであり、窓向き座席から軽食が楽しめるビュッフェ車も連結されていた。東海道新幹線開業前には、1等を「ゴールドクラス」、2等を「シルバークラス」とする案もあったため、1等車は側扉の縁が金色であり、座席も金色となっている。

 1等車はフットレスト付き回転式リクライニングシートを採用し、座席幅は475mm、座席間隔は1160mm(新幹線計画の元になった、南満州鉄道の特急「あじあ」1等車も同じ座席間隔である)。ちなみに、最新の新幹線であるE5系やN700系でもこの幅・間隔が採用されている。当時の在来線特急1等車と同じ2人掛け+2人掛けの配置だが、新幹線は在来線よりも車体幅が約50cm広いため、座席幅も15mmほど広くなっている。


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