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プライドだけは一人前のアホ、どう操縦する?<アホから解放される相談室>

連載「アホから解放される相談室」

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田村耕太郎さん

田村耕太郎さん

優秀な人でも、環境が変われば活躍できなくなることも ※写真はイメージです

優秀な人でも、環境が変われば活躍できなくなることも ※写真はイメージです

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「実績もないのにプライドが高いアホ」について。

*  *  *
【相談】
 なんの実績もないのに、プライドだけで偉そうなアホがいます。

 その彼は転職してきた30代の男性です。前職が大手だったらしく、部長待遇で入ってきました。さぞ実力があるのかと思いきや、結局会社のブランドがあったから仕事できていたにすぎず、結局、うちでは入社してから一年、ほとんど実績という実績がありません。

 にもかかわらず、「俺は実績があるんだ」というプライドだけは一人前で、指導も非常にしにくい状況です。給料も平均以上で採用しているため、現場の不公平感も高まっており、頭痛の種になっています。

■本当の実力を見抜くには?
 
 まずは、その人の様子や能力をじっくり観察しましょう。実は、あなたが見落としているだけで本当はすごい能力を持っているかもしれません。こういうタイプの場合、案外使える人材である可能性もあるのです。

 誰でもそうですが、新しい組織や業界に移ってきた場合、最初から能力が発揮できるとは限りません。得てしてエンジンがかかるのに時間がかかるものなのです。

 まあ、能力に限らず人間性をよく見極めましょう。というのも、本当にプライドが高いだけの人間だったら非常に扱いやすいのです。プライドだけを立ててあげればいいのですから。

 そういう人間は、褒めてあげれば手のひらの上で動かせる可能性が高いのです。アホと道具も使いようなのです。
 
 実は、私自身がこれまで職場を移り変わる身として、たくさんのアドバイスをもらってきた側でした。自分の能力が、いかに他の組織や業界では使えないか。こういうことは、やはり失敗しないと身に染みて分からないと思います。

 今まで一緒に働いてくれていた人は、私というよりも私が属していた組織の看板に影響されて動いていただけ、ということを身をもって知ることが大事だと思います。

 そのためだけではないのですか、私は一定期間慣れて実績を出したら、出来るだけ次の組織・次の仕事と、自らムーブをすることにしています。
 
 慣れた仕事をやり続けるのは本当に簡単です。しかも、慣れてきたことばかりしていると自分を見失いがちになり、いずれは本来の自分の能力を引き出せなくなる可能性が高いのです(慣れた仕事も、それはそれでうまく副業的に使えばいいのですが)。一方、どんどん自分のフィールドを移っていけば自分の足りないものが分かってきます。もちろん、色々痛い目にも遭うし、失敗もするでしょう。けれども、調子に乗ることもなくなっていきます。

 そして多様な能力がついて精神的にも飽きが来ないので、常にチャレンジングでワクワクしながら、新しい出会いや能力を引き出せて行きます。


 今回のプライドが高い人に話を戻しましょう。まずは、本当に使えない人材なのか、しっかり見てみましょう。他人の能力を見抜くとき、まず簡単に把握できるのは数字で出してきた実績を見てあげることです。そして、そこからその人が属していた組織の看板のバイアス割り引いて見ることです。  

 採用するとき、会社が何かを評価してその人を迎えているはずです。その人をスカウトしてきた担当者に聞いてみるのも一つの手です。
 
 新しい職場や組織で、いきなり目覚ましい実績を上げたり、給料以上の仕事をするのは簡単ではありません。このことは、私にもそしてあなたにも言えることなのです。
 くれぐれも、気長に見てあげましょう。


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田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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