ソフトバンクの時から使ってます。(この)映画が好きっていうのもあるし、我が家はみんなディズニー好きなんでね」

 そう話す五十嵐は、今季はここまで中継ぎとして5勝0敗2ホールド、防御率2.30を記録。自身にとって40回目の誕生日となった5月28日には、この壮大なインストゥルメンタルに乗ってプロ野球史上7人目の通算800試合登板を達成している。

 前述の『ボヘミアン・ラプソディ』は日本では昨秋の公開だったが、春先に封切られてヒットしたのがヒュー・ジャックマン主演の『グレイテスト・ショーマン』。ヤクルトでも昨年は館山昌平(『ディス・イズ・ミー』)と廣岡大志(『ザ・グレイテスト・ショー』、偶数打席で使用)がこの映画のサウンドトラックを出囃子にしていたが、館山は今季はまだ神宮での登板がなく、廣岡は別の曲を使っている。

 その代わりに……というわけでもないが、新たにこの映画からの曲を出囃子にしたのが、オフに日本ハムから移籍してきた太田賢吾である。現在は上半身のコンディション不良で登録を抹消されているが、シーズン序盤は主に1番を打つなど奮闘していた太田の出囃子は『リライト・ザ・スターズ』。劇中でザック・エフロンとゼンデイヤによってしっとりと歌い上げられるデュエット曲で、出囃子になっているのはザック・エフロンのパートだが、都会の夜にマッチしたその選曲にはセンスの良さが感じられる。ただし──。

「(登場曲を)決めてなくて……で、アレになってました(笑)。でもカッコいいんでよかったです。今は気に入ってますし、変えるつもりはありません」

 太田が話しているとおり、自身の選曲ではないのだという。実はこうしたケースはたまにある。中継ぎ陣の一角として、ここまでリーグ2位の31試合に登板しているマクガフもその1人だ。

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注目のマクガフ、その裏には…