変則タイプでメジャーでも活躍の可能性がある加藤 (c)朝日新聞社
変則タイプでメジャーでも活躍の可能性がある加藤 (c)朝日新聞社

 4月20日(日本時間21日)、菊池雄星(マリナーズ)が先発6試合目にして初勝利をマークした。開幕投手を務めた田中将大(ヤンキース)、大型契約2年目のダルビッシュ有(カブス)、そしてトミー・ジョン手術からまずは打者として復帰を目指している大谷翔平(エンゼルス)など、現在メジャーで活躍している選手は日本でも盤石な実績を残している選手が大半である。しかし、その一方で日本ではスターとは呼べなかったような選手がメジャーで結果を残した例も少なくない。

 その代表格が大家友和(元レッドソックスなど)だろう。横浜では5シーズンでわずか1勝と二軍暮らしが長かったものの、99年にレッドソックスに移籍するとメジャーで10年間プレーし、3度の二桁勝利をマークするなど通算51勝という結果を残したのだ。岡島秀樹(元レッドソックスなど)もメジャーで成績を伸ばした一人だ。日本でも中継ぎとしての実績は十分だったが、レッドソックスではそれを上回る成績を残し、4年連続で50試合以上に登板してブルペンを支える存在となった。

 また同じ左の中継ぎでは柏田貴史(元メッツ)も1年間のプレーながら中継ぎとして3勝をマークし、その後の日本での活躍の足掛かりを築いている。そこで今回は、現在のNPBでスターではないものの、メジャーで活躍するのではないかと思わせる意外な選手をピックアップしてみたいと思う。

 投手では岡島、柏田の例を見ても、左の中継ぎ候補というのは一つのポイントとなりそうだ。来年からメジャーではワンポイントリリーフが禁止されるということもあるが、それでもここぞという場面で抑えられるサウスポーの需要は依然として高い。

 そういう意味でまず面白いのが加藤貴之(日本ハム)だ。昨年までは主に先発で3年間で18勝をマーク。今年は開幕からショートスターターとして3試合に先発した後、中継ぎに回っている。ストレートのスピードは140キロ台前半と平凡だが、特徴的なのはそのテイクバックの動きだ。少し持ち上げるようにしてトップの形を作るが、その時の動きにためがあり、打者はどうしてもタイミングを取りづらい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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