見事、復活の日を果たした草刈正雄 (c)朝日新聞社
見事、復活の日を果たした草刈正雄 (c)朝日新聞社

【写真】草刈正雄がラジオ体操を!?

■母子家庭で育ち中学時代から新聞配達

「朝から涙が止まらない」。SNS上で、NHK連続テレビ小説「なつぞら」を見た視聴者からのこんなコメントが止まらない。とくに同作で“頑固じじい”を演じる草刈正雄(66)の深イイ演技と胸にささるセリフに心動かされる視聴者が多いのだ。

 草刈扮する柴田泰樹は、ヒロイン・なつ(広瀬すず)が引き取られた北海道・十勝で酪農を営む柴田家の長老。偏屈で頑固な性格だが、深い愛情を持ったまさに大樹のような男。荒れ地だった十勝に一人で入植し切り拓くなど、豊富な経験に裏打ちされた数々の言葉が心の奥にまで響き渡る。

 特に神回だったとネット上で話題となったのが、第4話(4月4日放送)だ。帯広にある知り合いの菓子店になつ(子役・粟野咲莉)を連れたった泰樹。彼が持参した卵と牛乳で菓子職人・雪之助(安田顕)が作ったアイスクリームを泰樹となつが店先で食べるシーンだ。それまで、なつに厳しく接してきた泰樹が「頑張って働けば報われる。人をあてにせず自分を信じて働けば助けてもくれる」とやさしく語りかける。続けて「お前なら大丈夫だ。だからもう、無理に笑うことはない。謝ることもない。お前は堂々としてろ、堂々と、ここで、生きろ。いいな?」と言うのだ。

 草刈の愛情たっぷりに語りかける名演技に「心にしみる」「現代にも通じる言葉」など、反響の声が相次いだ。

視聴率も上々の『なつぞら』ですが、実は草刈さんの再ブレイクのきっかけともいえる真田昌幸を演じた大河ドラマ『真田丸』のスタッフが半数以上いるそうです。『気心知れた仲間で現場が心地よく、思い切り楽しんでやっています』と草刈さんはイベントでの取材に笑顔を見せていました。大森寿美男さんの脚本が素晴らしく、『こんなにいいセリフを言わせてもらって、幸せ者だと思いながらやっています』と草刈さんが感謝の言葉も述べていました。『真田丸』で昌幸が放ったセリフを泰樹が口にするシーンがあったというウオッチャーからの指摘もあり、ファンはますます目が離せません」(テレビ情報誌の編集者)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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