NPB歴代7位の通算2539安打を放ち、広島、阪神の2球団で「アニキ」として慕われた金本は、年齢を重ねるごとに打者としてスケールアップし、37歳となった2005年に自己記録を更新する打率.327、40本塁打、125打点をマーク。左手首を骨折しながらも右手一本でヒットを放ち、連続イニング出場数(13,686イニング)・連続試合フルイニング出場数(1,492試合)の世界記録を達成した「鉄人」でもあった。

 一方の立浪は早熟の天才型。高卒1年目から中日のレギュラー選手として活躍し、1990年から2005年まで16年連続規定打席到達を記録。通算二塁打487本はNPB記録。長嶋茂雄を上回るNPB歴代8位となる通算2480安打をマークした。

 平成を代表する左打者は、現役の中にもいる。一人目が2015年にNPB新記録となるシーズン216安打を放った西武の秋山翔吾。巧みなバットコントロールで広角に安打を放つだけでなく、2017年に25本塁打、2018年にも24本塁打を放つなどパンチ力も兼備。最も抑えるのが難しい打者だろう。二人目がソフトバンクの柳田悠岐。豪快なフルスイングから快音を連発し、2015年には打率.363、34本塁打、32盗塁でトリプルスリーを達成。現在、最も怖い打者と言えるだろう。

 昭和の時代には868本塁打の王貞治、3085安打の張本勲の左打者がいた。そして平成はイチローと松井の時代だった。迎える令和は、秋山と柳田の時代になるのか。それとも、“二刀流”大谷翔平の時代になるのか。平成のプロ野球に郷愁を覚えながら、令和時代の新たなスター出現に期待したい。