一方、DTMを題材にしている同ドラマだが、すべての楽曲の制作をあの「ゲス極」川谷絵音(30)が手がけているのだ。

「川谷さんも近年、ミュージシャン以外でのメディアへの露出が増えていますが、音楽的な才能も折り紙つき。ベッキーとの不倫騒動から数年経ってようやく批判が落ち着き、今、彼の才能に対して改めて注目が集まっていますね。20代の頃から、SMAPやアイドルたちへ楽曲提供をし、昨年では『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)などにも出演し、音楽的な才能をロジカルに披露しています。また、音楽ビジネスを冷静に見つめていて、それを言語化する能力がずば抜けている。昨年末には若手研究者として注目されている落合陽一(31)さんとも対談し、話題となっていました」(民放音楽番組ディレクター)

■熱狂的な視聴者が生まれやすい作品作り

 同ドラマには川谷本人も特別出演している他、ゲス極メンバーがレギュラーとなっている。

「ドラマには本人役としてちらっと出ているほか、ゲス極のメンバーでベースを担当する休日課長さんがドラマ初出演しています。川谷さんは以前にもテレビ東京で放送されたドラマ『恋のツキ』に出演していました。またベッキーとの不倫騒動で世間一般にも名前が知られたという側面もあって、『ワイドナショー』(フジテレビ系)や『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)などダウンタウンの番組にも出演しています。そのほか、BSスカパー! で放送されているバラエティ番組『BAZOOKA!!!』にも出演し、小藪一豊さんらとバンドを組むなど交流の幅も広い。30代のロックミュージシャンとしては、パフォーマンスがずば抜けているSEKAI NO OWARIのFukaseさんや、作詞に抜群のセンスがあるクリープハイプの尾崎世界観さんと並ぶ存在だと思います」(同)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、このドラマの人気の理由と可能性についてこう分析をする。

「まず、単なるアイドルドラマとしてではなく、『音楽』という柱をしっかり用意することで、アイドルファン以外の視聴者に興味を持ってもらうことに成功しているところが人気の理由の一つとして挙げられます。また、放送時間帯である深夜とネットとの相性も良く、熱狂的な視聴者を生みやすいことも追い風となっているでしょう。さらに、登場人物のセリフの中に、実際にエビ中に楽曲を提供しているDTMミュージシャンのヒャダインや岡崎体育の名前が出てくるなど、マニアックな遊び心も忘れていません。深夜ドラマはマイナーなジャンルにカテゴライズされてしまいがちですが、これから先、ドラマを大いに盛り上げてもらい、たとえマイナーでも力を合わせればメジャーにも負けない熱量を作り出すことが出来るんだ、ということをぜひ証明して欲しいですね」

 視聴率だけではなくツイッターや配信ランキングなどでどう評価されるか、行方を見守りたい。(ライター・黒崎さとし)