■お手本を一人に決めて徹底的に動画を見る

 ジュンさんは日本人の母とアメリカ人の父のもとに生まれ、小学4年までアメリカの日本人学校に通った。

「友だちはみんな日本人。愛読書は『コロコロコミック』でした」

 その後、現地校に転校。英語で教育を受けているうちに、日本語を忘れている自分に気づき、大学3年生のときに交換留学で来日した。

「日本人の学生と飲みに行く、あの居心地のよさ! 僕のどこかに日本人の根っこがあるんですよ」

 日本語を勉強し直したとき、ジュンさんはお笑いタレント・くりぃむしちゅーの上田晋也さんをお手本にした。相手の言葉を引き出すのが上手で、あんなふうに日本語を話したいと思ったからだ。出演しているテレビ番組をチェックし、彼の言葉の選び方を自分にインプットした。

「この人みたいになると決めて、追いかけてまねをすると、日常会話の表現がだいぶ広がると思いますよ」

 語学を学ぶ難しさは体感済み。日本語を熟知する英語ネイティブとして、これからも日本人に寄り添った番組を作っていくという。

(文/仲宇佐ゆり)