これこそまさに地方自治で、政治も東京一極集中じゃなくて地方の考えが生きてきているのが面白いと思います。

 そして、ここから見どころなのは大阪の公明党。与党である維新にすり寄るのか、負けた自民党につくかです。公明党っていつも「庶民の味方」って言ってるけど、学生時代にいたような強い方にすり寄るやつみたいで、「民意になびく公明党」っていうのが本当のところじゃないの? そういう意味で国政も地方も一貫するのか、そこが楽しみですね。

 選挙にまつわる政治家の裏事情って、実は面白いですよ。この前、AbemaTVの僕の番組で、元市議会議員の太田祐介さん(44)に出てもらっていろいろ聞いたんです。立候補するには3ヶ月は住民票を移して住まなきゃいけないらしく、政治家になりたいと考えていた彼はそれ以降で一番早く選挙がある場所だったからっていう理由で、海老名市の市議選に出たそうなんです。2期トップ当選して、衆院選に出るときに党に鞍替えさせられて、負けたと。借金抱えたって番組に電話をかけてきてくれて、面白いからスタジオに呼んで裏話をしてもらいました。

 まず選挙ってお金がかかるんですよね。業界内では一般的に市議会が300万円、県議会が1000万円、衆院選で5000万~1億円って言われているらしい。それに「出馬」って言われるほど選挙は血なまぐさいもので、相手の選挙事務所に馬とか牛の首がバンっと置いてあるとか、ゴッドファーザーか!?っていう嫌がらせもあったとか。これはごく一部らしいんだけど。

 あと、4割ぐらいの地方議員が票を集めるために、葬儀屋と契約して選挙区内の情報をもらって、知らない人の葬式に行くらしいんですよ! 親族に「え?」って顔されたら「故人には生前に大変お世話になり……」ってうそを言って、中には「あなたのおかげで市議会議員になることができたから、連れて行ってください」って議員バッジを棺の中に入れるパフォーマンスをする人もいるらしい。でも実は、議員バッジは3千円しかしないから、箱買いして準備している人もいて、お祝儀が高くて拘束時間が長い結婚式より、葬式のほうがコスパが良いらしいんですよね。

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SNS選挙で支援者なりすましバイトも横行