「女子アナがフリーに転身すると、お金目当てというイメージを抱かれやすいですが、実際のところはモチベーションや精神的な要因も大きいと思います。人気女子アナといっても局員の一人ですから華やかな仕事ばかりしているわけではないし、業務内容も自分ではほとんど選べません。“内部”の人間なので、現場での扱いは芸能人などと比べると雲泥の差ですしね。以前にフリーに転身した元局アナが、『自分を大切に扱ってくれるマネジャーさんがいるだけで仕事のモチベーションが全然違う』なんて話していましたが、本音だと思います。キー局の女子アナになるようなコは若い頃からチヤホヤされてきたタイプが多いですし、余計に芸能人との扱いの差を痛感するのではないでしょうか」

 インターネット番組などのコンテンツの増加や2020年の東京五輪開催を控えて今後しばらくの間はアナウンサーの需要が拡大するという声もあり、複数の大手芸能事務所がフリー女子アナの獲得に動いているという実情もある。

 とはいえ、人気局アナといえども、フリーになってかならずしも成功するとは限らない。

「近年は芸能人のすみわけが曖昧になり、タレントのマルチ化が進んでいますからね。かつては女子アナの代表的な仕事の一つだったテレビ番組のMCやアシスタントといった仕事も女性タレントや芸人、アイドル、モデルなどに侵食されています」

 一方で、加藤アナや田中アナが女優業に挑戦したり、元フジの高橋真麻アナがバラエティーで活躍したり、元日テレの脊山麻理子さんがグラビアを中心に活動したりと、女子アナの方もアナウンス業以外のジャンルの仕事にも進出しているが、そう簡単ではない。

「アナウンス技術というのは女子アナの一つの武器ではありますが、それだけで芸能界で勝負していくのはラクではないですからね。結局は女子アナ本来の業務の枠を超えて、いちタレントとしてキャラクターや特技、趣味、学歴などの個性を活かしていくことになるでしょう」(前出の三杉氏)

 となると、新たにフリー転身を果たす女子アナたちに勝算はあるのか?

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