練習開始は午前10時。ところが、グッズ売り場の前には、練習開始前から200メートル以上の行列ができた。根尾という、フレッシュなルーキーのグッズに加え、松坂が背番号「99」から「18」に今季から変更したことも、その売り上げに拍車をかけているという。

「18番コレクターというのは、けっこういらっしゃるんですよ」と北野さん。日本での「18」はエースナンバー。これらにまつわるグッズを、マニアックに集めている野球ファンがいるのだという。

 特に松坂の場合は、西武時代はもちろん、メジャー時代のレッドソックスでも「18」。昨季の「99」もレア感たっぷりで人気を集めたのだが、中日のユニホームでの「18」は、当然ながら今季初。「99」のグッズを持っているファンも、思わず買い直すというわけだ。

 さらに、この2人に次ぐ売り上げを見せているのが、3年目の内野手・京田陽太のグッズだという。今季から背番号「1」に変更したことで、レプリカユニホームをはじめとした、京田の“新グッズ”が、中日ファンに人気を呼んでいるのだ。

 取材中、北野さんが、こっそりと見せてくれたのは、スマートフォンで撮影して記録した1枚の領収証。なんと、1人で松坂グッズをはじめ「37万9000円」のお買い上げをしたファンが登場。北野さんも“レコード記録”の領収証を思わず、写真に収めたというのだ。このように今季は“まとめ買い”が、非常に目立つのだという。

 これは、北谷にキャンプ見学に行く計画を明かしたファンが、他のファンや友人から、新しいグッズの購入を頼まれるという図式だそうだ。1人で4~5万円分を買って帰る人もざらで、5万円以上の領収書には添付の必要がある収入印紙のストックが、キャンプイン初日の1日にはなくなってしまうという仰天のハプニングも起こった。

 球団によると、初日の売り上げは「1000万円」を超えたといい、キャンプでの一日での“4桁万円”の売り上げは、球団史上初。例年、土・日曜でグッズ売り上げが多いときでも、200万~250万円だから、単純に「4倍増」。しかも「1000万円」の売り上げは、昨年なら1クール・5日分、一昨年にさかのぼれば、キャンプでの1カ月分にあたるという。

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計り知れない「松坂&根尾効果」