晴れ着姿を披露した藤田ニコルや剛力彩芽、武井咲ら。注目される「美の総合商社」のお笑い部門とは?(c)朝日新聞社
晴れ着姿を披露した藤田ニコルや剛力彩芽、武井咲ら。注目される「美の総合商社」のお笑い部門とは?(c)朝日新聞社

 米倉涼子、上戸彩、剛力彩芽ら女優・モデルを中心に7000人以上が所属する芸能プロダクション・オスカープロモーション。「全日本国民的美少女コンテスト」を立ち上げるなど“美の総合商社”として華やかな女性をマネジメントするイメージが強いが、今、意外な面で急速に注目を集めている。それが、お笑い部門だ。

 現在若手芸人20数組が所属しているが、オスカーがお笑いの部門を立ち上げたのが2009年。同年からオーディションライブを行い、少しずつ所属芸人を増やしてきた。

 もともと、アイドルのプロデュースを得意にしていたサンミュージックが芸人のマネジメントにも力を入れ、ダンディ坂野ら有力な芸人が出てきたのもこの頃。オスカーも新たにスタッフを招き入れ、会社としてお笑い部門を立ち上げたが、丸10年経って、あらゆるところで実を結び始めた形だ。

 毎月、所属芸人のネタライブを行い、事務所内での切磋琢磨を狙ってきた。さらに、オスカーのお笑い部門の精神的支柱、キーパーソンになっているのが漫才コンビ「B&B」として1980年代のMANZAIブームで伝説的な人気を誇った島田洋七だ。

 12年にオスカーの所属となり、その後、2カ月に1回ほどのペースで、洋七が司会を務め、若手数組が出演するネタライブを都内で開催してきた。洋七は司会をしつつ若手のネタを見て、ネタ後に客前で出演者に公開ダメ出しをするのも売りになっていた。

「洋七さんは基本的に佐賀県在住なので、このライブのためにわざわざ上京してきて、司会を務めていました。洋七さんの心意気で、ライブ出演はノーギャラでやっていました」(事務所関係者)

 実際、そのライブで洋七から「ホンマにおもろいわ!」と絶賛されて自信をつけ、この年末年始に頭角を現したのが「ぺこぱ」だ。シュウペイと松陰寺太勇のコンビで08年に結成されたが、毎年スターを輩出することで知られる、大晦日深夜の日本テレビ系「ぐるナイ おもしろ荘2019 若手にチャンスを頂戴!今年も誰か売れてSP!!」で優勝を果たした。

著者プロフィールを見る
中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

中西正男の記事一覧はこちら
次のページ
“奥歯ガタガタ言わせ節”で人気の芸人も…