■「モンスターハウス」以降、女性ファンも急増中か

 一方、人気にあやかろうと、他の番組でもクロちゃんにドッキリを仕掛けようという動きもあるが、うまくいっていないという。「クロちゃんの“さばき方”を熟知している総合演出・藤井健太郎氏の存在大きい」(同)との指摘もある。

 「水曜日のダウンタウン」総合演出を担当するその藤井氏は、自身のツイッターで「クロちゃんは人間の業を煮詰めたような存在で、誰もが持ってる『欲』や『みっともなかったりカッコ悪かったりする部分』が過剰に表に出ちゃってる人。だから、その一番の異常性は『他人からどう見られるか』を完全に無視できる所だと思う。だけど、それってどこか羨ましくあったりもする」とコメントしている。クロちゃんの自由奔放すぎる生きざまに、もしかすると“憧れ”すら抱き始めているフシがあるのかもしれない。

 クロちゃんにインタビュー経験があるTVウォッチャーの中村裕一氏も「クロちゃんに憧れている人は意外と多い」と同調する。

「クロちゃんが他の芸能人と違うのは、他に類を見ない鋼のメンタル。これだけ毎日のように罵詈雑言を浴びせかけられても、折れないどころか自らのパワーに変える思考回路は桁外れの強度です。私たちの常識をはるかに超えていると言えるでしょう。些細なミスをしたり、ちょっとでも叱られたりすると、すぐ心が折れてしまう現代人こそ、彼の図太さを見習うべきだと思います。また、クロちゃんいわく、最近ではイベントに訪れたり、街中で声をかけたりする若い女性が増えるなど、ファン層に変化の兆しを感じているとか。嘘つきのクロちゃんのことなので、どこまで本当かわかりませんが、もしそれが本当なら、かつてダントツの嫌われキャラだった出川哲朗さん(54)が今や老若男女の愛されキャラとなり、CM出演本数ナンバーワンのタレントになっているように、もしかするとクロちゃんも将来、希代の人気者になるかもしれません」
 
 そんな「モンスターハウス」の最終回は12月26日にオンエア予定。果たして、人間味あふれるモンスター芸人・クロちゃんの恋愛は実を結ぶのか? 一年の締めくくりとして“平成最後の怪物”の勇姿を目に焼き付けておきたい。(ライター・藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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