外に出られないバスターミナル 中国の独特なシステムとは? <下川裕治のどこへと訊かれて> (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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外に出られないバスターミナル 中国の独特なシステムとは? <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

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下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)

ルオチャンのバスターミナル。左側のドアが開いているところがターミナル、唯一の入口

ルオチャンのバスターミナル。左側のドアが開いているところがターミナル、唯一の入口

 それをはじめて体験したのは、チャルチャンのバスターミナルだった。深夜に着いたのだが、全員、身分証明書かパスポートを公安に提出するようにいわれた。そこでチェックし、登録。返却は別の窓口だった。ひとり、ひとり、名前を呼ばれて取りにいかなくてはならなかった。

 このシステムはルオチャンのバスターミナルも同じだった。そしてバスが途中で停車する街のすべてのバスターミナルで徹底されていた。

 バスがターミナルに入ると、すぐにゲートが閉まる。ターミナルの外に出ることができるのは、その街で降りる客だけだった。当然、身分証明のチェックは厳しいが。

 乗り続ける乗客はバスから降りることはできても、ターミナルから出ることができない。ちょうど昼どきに停車した街があった。ターミナル内には簡単な売店しかない。乗り続ける客がターミナルの外に並ぶ食堂に行くことを職員は許可しかなった。

 この沿線のバス旅は不自由を強いられてしまう。公安の方針だから、誰も文句はいえなかった。

 このルールを決めたのは漢民族の公安だが、実際に荷物やボディーチェックをするのは、雇われたウイグル人だった。彼らのチェックは杜撰で、エックス線チェックのモニターの前でうたた寝していたりする。それでも乗客は荷物を機械に通す。

 なにかが空まわりするバスターミナルをバスは結んでいく。


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下川裕治

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(隔週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(隔週)、「タビノート」(毎月)など

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