8割が「要らない」ペッパー君 年間で3億円以上の投資でもはま寿司の救世主になった理由 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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8割が「要らない」ペッパー君 年間で3億円以上の投資でもはま寿司の救世主になった理由

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福井しほdot.
案内業務を行うPepper(同社提供)

案内業務を行うPepper(同社提供)

頭で受付や案内業務を担うPepperははま寿司の制服を着用している(同社提供)

頭で受付や案内業務を担うPepperははま寿司の制服を着用している(同社提供)

 その理由は、回転寿司の市場規模拡大にある。市場調査を行う富士経済によると、寿司業界全体の売上は、2017年度が前年比1.3%増の1兆6912億円。今年度も好調を持続している。この業界は「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」、そして「はま寿司」のいわゆる“4強”と呼ばれるチェーンが激しくしのぎを削っている。「はま寿司」も急速に店舗数を増やしたが、結果として増え続ける来店客を効率よく誘導しきれないという課題も抱えていた。

 その救世主こそ、ペッパー君だった。

 店舗での受付を一人で担い、手際よく来店客をさばいていく。オンライン予約との連携もばっちりで、その都度最適な座席を案内する。受付はペッパー君に任せ、従業員は片付けや会計などに集中できるようになった。余裕ができたことで、サービスの質も向上。「人がやったほうが早い」と訝しく思っていたベテラン従業員も、信頼を置く存在になった。

 だが、ここまでの作業だったら疑問に思う読者もいるかもしれない。「タブレット端末だけで十分では?」と。

「実は、“タブレットだけ”も検討しました。でも、それこそ無機質で味気ない。接客業である以上、お客様の記憶に残るサービスを提供したいと考え、Pepperを選びました」(今村さん)

 高値のイメージがある寿司とはいえ、回転寿司は比較的安価に食べられるがゆえ、客層はファミリーが多い。子どもにはその味だけでなく、来店の体験としてエンターテインメント性を高め、楽しんで帰ってもらいたい――。そんな思いが募ったのか、当初は裸で接客していたペッパー君は、いつからか制服を着るようにもなった。一見、他の従業員と同じ制服に見えるが、実はペッパー君の制服にだけ、ある機能がついているという。

「万が一ですが、機械なので発火の恐れもあります。その際、お客様がやけどしてしまわないよう、防火素材を使用しています」

 値段は、正規の制服より少々お高い。さらにネット上では、「ペッパー君がかぶる帽子の種類が複数ある」とまことしやかに囁かれ、別のデザインの帽子をちょこんと頭にのせたペッパー君の写真が出回っていた。だが、実際の帽子は一種類だけ。

「もしかすると(その店の)店長の帽子をかぶせているのかもしれませんね」(今村さん)

 こっそり昇進しているペッパー君もいるようだ。


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